
2026年第1四半期、重量ベース需要は23%減
ワールド・ゴールド・カウンシルが公表した2026年第1四半期の需給統計によると、金価格の高騰を背景に金ジュエリーの販売量が大きく減少したことが明らかになった。重量ベースの金ジュエリー需要は前年同期比23%減となり、中国32%減、インド19%減、中東23%減と主要市場で広範な落ち込みが確認された。
一方で販売金額ベースでは逆に増加が見られ、同期間の金ジュエリー支出額は前年比16%増の130億ドルに達した。高価格環境下でも購買行動が完全に消失したわけではなく、購入点数ベースでは減少しているが支出は維持されているという構造変化が進行している。
高価格でも消えない需要、軽量化と高級志向が並存
金価格上昇は消費者行動を明確に変化させている。中国では高価格にもかかわらず金への信認が強く、より軽量な製品へのシフトが確認された。
また高所得層では伝統工芸性やブランド価値を伴う高付加価値ジュエリーの需要が比較的堅調であり、いわゆるヘリテージ型の高級金製品は一定の耐性を示した。
若年層では軽量な純金ジュエリーやデザイン性の高い製品への関心が強く、価格上昇に対応した購買構造の変化が進んでいると分析されている。
投資需要が牽引する金市場の構造変化
ジュエリー需要の減少とは対照的に、投資用途の金需要は大きく拡大した。2026年第1四半期の地金・コイン需要は前年同期比42%増となり、中国では67%増の207トンと四半期ベースで過去最高を記録した。
世界全体の金需要は数量ベースで2%増にとどまったが、価格上昇の影響により金額ベースでは74%増の1,930億ドルと過去最高水準に達している。
こうした動きは近年継続しており、中央銀行による購入やETF流入など投資主導の需要が市場構造の中心へ移行していると指摘されている。
世界的な価格上昇がジュエリー消費構造を再編
金価格は近年急騰を続けており、2025年以降は投資資金流入や地政学リスクを背景に記録的水準に到達した。
この影響はジュエリー産業全体に及び、重量販売型の市場では需要減少が顕著に現れている。例えばアジアでは販売量が30~40%減少した例も報告されており、価格感応度の高い市場ほど影響が大きい。
その一方で、高価格環境はジュエリーを資産として評価する動きも強めており、金ジュエリーは装飾品と投資対象の両面を持つ商品として再認識されつつある。
価格上昇下でも市場価値は過去最高水準
2026年第1四半期の世界金需要は数量ベースでは小幅増にとどまったものの、価格上昇により市場規模は過去最大となった。
今後についてワールド・ゴールド・カウンシルは、高価格が継続する限りジュエリー需要の重量ベース縮小は続く可能性があるとする一方、支出額ベースでは一定の堅調さが維持されるとの見通しを示している。



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