米国最大のジュエリー小売企業であるシグネット・ジュエラーズは、主にブライダルジュエリー販売の再興によって5年以内に最大1,000万ドルの収益を達成するという大きな目標を設定した。オハイオ州アクロンに本拠を置く同社は2023年度末の総売上高が78億ドルだと報告している。
コロナ禍による大幅なエンゲージメント数の減少から回復し、増加している中、シグネットが持つ多様なブランドポートフォリオは、このカテゴリーを獲得する絶好の位置にあるとCEOのバージニア・ドロソスは述べている。
ドロソスは先週火曜日、ニューヨークで開催された同社のインベスターデイミーティングで次のように語っている。「我々はこの追い風を予期しており、エンゲージメントカテゴリーが回復した際にこの大きな成長を確実に捉えるために投資してきました。エンゲージメントカテゴリーが以前のレベルに戻るには2026年までにこのカテゴリーが約25%成長する必要があり、今後数年間で当社のビジネスが大幅に向上すると予想されます。ブライダルは意図的かつ戦略的に私たちの商品群の中で大幅に開発されている分野であるため、シグネットにとっては特に価値があります。通常ジュエリーカテゴリーの売上比率が20%であるのに対し、シグネットのブライダル売上比率は約50%あります。」
ブライダル市場の回復はシグネットにとって「今後数年間で最大6億ドルの成長をもたらすと予想されている」とドロソスは付け加えた。同氏はまた、米国と英国でのシグネットのジュエリーブランドの数々(バナー)が競合他社よりも有利であると述べた。
「市場が動くと予想される場所に方向転換し、活用することが我々能力としての鍵です。」と彼女は言う。
この多様性によりドロソスはシグネットの事業のいくつかの分野での成長を期待している。同社のバナーであるKay Jewelers、Jared、James Allen、Blue Nile、Diamonds Directなどはブライダルと不動産の拡大に支えられ今後5年間で10億ドル以上の成長をもたらすと予想されている。同社はまた提供するサービスを拡大しており、同社のビジネスサービス事業は5年間で最大5億ドルの成長が見込まれている。その50%近くはリペア事業によるものだ。
同社はデジタルとデータ収集を改善しており、これはすでに成果を上げているとドロソスは述べる。「パーソナライズされたマーケティングへの投資は、顧客データプラットフォームを実現し、これが活性化するにつれて、5年以内にすべてのバナーでさらに4.5億ドルの収益をもたらすと予想されます。」と説明した。
しかし、シグネットのポジショニングの焦点の多くは、力強いブライダルジュエリー販売の回復を利用することだ。
「エンゲージメント市場が底を通過することを事前にデータが示しており、我々はそれの分析に自信を持っています。そしてその底の通過は秋に実際に起こりました。エンゲージメント市場は第4四半期に回復し始め、来年及び2025年期に非常に力強い成長が見込まれます。2026年には持続的な超大型成長が見られ、2027年には通常に戻るでしょう。収益に関しては、我々にとっては5億ドルを超えるチャンスになります。」とドロソスは説明した。
またドロソスは、シグネットが多くの市場シェアを獲得するチャンスになると考えている。現在、シグネットのバナーがもつ米国のブライダルジュエリー市場のシェアは30%ほどだという。
「(ブライダルジュエリー)はライフタイムバリューの出発点であるため、我々は現在のシェアに到達するために投資してきました。」と述べ、詳細を次のように説明した。
「これには、将来のギフトやファッションジュエリーの購入、そしてシグネットがKay Jewelers、Jared、Zalesブランド向けに立ち上げた新しいロイヤルティプログラムに顧客が投資することが含まれます。これら3つのバナーは1年以内に200万人以上のロイヤルティメンバーを獲得し、最終的に1,000万人の加入者を達成することを目標としています。ロイヤルティは私たちにとって大きな成功要因ですが、それはまったく新しいものです。当社のロイヤルティ顧客は、店舗だけでなくオンラインでも再購入する可能性が非常に高いことがわかっており、ロイヤルティプログラムには大きな可能性があると考えています。」と彼女は説明した。
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