1716年創業の奈良の老舗・株式会社中川政七商店(所在地:奈良県奈良市、代表取締役社長 千石あや)は、令和6年能登半島地震により被災された北陸の工芸への支援として、2024年1月31日~2月20日に開催した企画展「北陸のものづくり展」において、7千名を超えるお客様が対象商品を購入し、31,098,236円の売上となったことを発表した。なお売上の全額および追加寄付金を合わせ計31,500,000円を、輪島漆、珠洲焼、九谷焼の各組合および「石川県企業版ふるさと納税」の計7団体へ寄付する。また本企画にとどまらず当社は今後、北陸のものづくり復興へ向け、中長期的な支援を進めていくとしている。
“日本の工芸を元気にする!”をビジョンに掲げる中川政七商店は、令和6年能登半島地震を受け、北陸のものづくりを未来へ繋いでいくことを目的に、中長期の工芸復興支援を始動いたしました。
支援の第一歩として1月31日より実施した企画展「北陸のものづくり展」は、石川県、新潟県、福井県、富山県の被災地4県で作られた商品を販売し、その売上全額を工芸支援に繋がる窓口へ寄付する取り組みです。企画展開始直後より、予想を超えるお客様からの支援をいただき対象在庫が僅少となり、期間を2週間繰り上げ2月20日をもって終了いたしました。特に越前漆器の「食洗機で洗える漆椀」や石川の繊維産業から生まれたトラベルギア「TO&FRO」が人気商品にラインアップ。企画展で購入したお客様からは「応援の気持ちで購入した」「北陸にたくさんの工芸があることを知るきっかけになった」「復興を祈りながら商品を使います」などの声が寄せられ、7000名を超える支援に至りました。
企画展の売上31,098,236円に当社の追加寄付金401,764円を加算した総額31,500,000円を、輪島塗、珠洲焼、九谷焼の各組合および石川県企業版ふるさと納税の計7団体へ寄付を行ないました。企業版ふるさと納税では、石川県が実施する被災した伝統工芸産地の復興支援事業(伝統工芸事業者の道具修繕や原材料購入支援等)の財源として活用されます。
一方で、未だに多くの工芸事業者が避難生活を続け、事業再開の目途が立っていません。中川政七商店は今後も販路提供や商品開発などを通し、北陸の工芸復興支援を続けてまいります。
- 寄付先一覧
寄付先の取扱い工芸 | 寄付先団体 | 寄付金額 |
輪島塗 | 輪島漆器商工業協同組合 | 6,500,000円 |
珠洲焼 | 珠洲焼創炎会 | 3,000,000円 |
九谷焼 | 九谷上絵協同組合石川県九谷窯元工業協同組合小松九谷工業協同組合加賀九谷陶磁器協同組合 | 各1,000,000円 |
石川県内の被災した伝統工芸産地の復興支援 | 石川県(企業版ふるさと納税) | 18,000,000円 |
※企画展売上31,098,236円に中川政七商店の追加寄付金401,764円を加算し、計31,500,000円を7団体へ寄付
輪島漆器商工業協同組合様のコメント
まだまだ、多くの職人さんたちが避難生活の中にいて作業に取り掛かれるには、時間が必要ですが、多くの皆様からのご支援で、少しずつ前向きに歩もうとしています。必ず、復旧・復興できるように努めていきます。どうぞよろしくお願いいたします。 一方で、未だに多くの工芸事業者が避難生活を続け、事業再開の目途が立っていません。中川政七商店は今後も支援の手を止めず、販路提供や商品開発などを通し、北陸の工芸復興支援を続けてまいります。
珠洲焼創炎会様のコメント
一昨年より2度の震災を乗り越えてきた珠洲焼。今回は過去の被害を大きく上回り、現在でも大半の窯元は生産再開の目処すら立っていません。しかし工芸の復興が地域再生の希望の光となるよう、諦めず前を向いて先ずは一歩を踏み出します。貴社を通して頂戴した温かい励ましとご支援に会員一同、心より感謝御礼申し上げます。
加賀九谷陶磁器協同組合様のコメント(九谷焼4団体を代表して)
この度は九谷焼業界の復旧のためお心のこもった寄付金を賜り心から御礼を申し上げます。組合員一同、感謝は元よりこれからの事業継続に向けて元気を頂けたと感じました。
「北陸のものづくり展」では開催予定期間を待たずに商品が僅かになったとの事、全国の方々が北陸を応援してくださっていることが本当に有難く、心強いです。皆様からの温かいご支援を力にして、これから業界一丸となって復興への歩みを進めてまいります。
石川県企業版ふるさと納税の活用先について
被災地には小さな工房が数多くあり、当社から個別の工房すべてへの直接支援が難しく、そのため行政に私たちの志を託し「石川県企業版ふるさと納税」へ寄付を行いました。寄付金は、石川県が実施する被災した伝統工芸産地の復興支援事業(伝統工芸事業者の道具修繕や原材料購入支援等)の財源として活用されます。
中川政七商店 代表取締役社長 千石あやコメント
日本中が穏やかな元旦の空気に包まれていた1月1日、奈良でも身の危険を感じる程の揺れがありました。情報が錯綜する中、お付き合いのあるメーカーさんの安否確認をしつつ、何をすべきか模索した数日の間にも、社内外からたくさんの「今私たちにできること」のアイデアが届き始めました。
我々は日本の工芸を元気にする!というビジョンのもと集まった集団です。今回大きな被害を受けた北陸地方は工芸の宝庫。たくさんのものづくりと豊かな地域文化が、これをきっかけに失われることを少しでも食い止められたら…と、急遽準備した企画展に本当にたくさんのお客様がご支援の気持ちを寄せてくださいました。この場をお借りして、関心を持っていただいたすべての皆様に、心より感謝いたします。本当にありがとうございました。
まだまだ現地の傷は深く、立て直すものはたくさんありますが、長く続く復興への一助となるよう、これからもできることを会社全体で考えていく所存です。
中川政七商店(なかがわまさしちしょうてん)
1716年(享保元年)に創業し、手績み手織りの麻織物を扱い続ける奈良の老舗。近年は「日本の工芸を元気にする!」 をビジョンに掲げ、工芸をベースにした生活雑貨のSPA( 製造小売り ) 業態を確立し、全国に約60の直営店を展開。コンサルティングや流通サポート事業、産地単位での地域振興にも取り組む。
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