スマートゴールドATMが香港フェアに登場

9月22日まで香港で開催されていたジュエリー&ジェム ワールド香港(JGW)にてスマートゴールドATM(知恵金店)が注目を集めた。この機器は深圳に本部を置くKinghoodグループ(金雅福集団)が発表したもので、金を自動で販売、また買取する全自動の無人ATMだ。同社は深圳にこのスマートゴールドATMを導入した。またこの機械は最近、中国南部の沿岸都市でも稼働を開始しているという。

機器右側はゴールドの自動販売機になっており、1gの純金の粒から、純金でできた携帯電話に貼り付けるステッカー、ゴールドバーなどを簡単に購入することができる。

左側は金の自動買取機となっており、ブランドやメーカーに関わらず、金の延べ棒、金のジュエリーなど重さ3グラムから1キログラムまでの貴金属でできたさまざまなアイテムを買い取る。このシステムは、金の純度、重量、価格を非破壊で3分以内に評価し、利用者が金額に合意すると、その後溶解検査と支払いプロセスをわずか30分で完了する。

今回香港フェアで公開されたのは、このスマートゴールドATMの国際版だ。この国際版ATMは世界各国の基準や決済システムに対応しているという。世界各国の現地の金取引市場、金価格、サードパーティの支払いプラットフォームと統合され、すべての主要世界通貨での決済が可能だ。また各国の言語、設置国の測定単位、法的規制に基づいてカスタマイズされる。内部には精度が0.01%の検査器が配置されており、システムは全世界200カ国以上の携帯電話番号でアカウントを作ることができるという。

香港フェアではシンガポール、モロッコ、インド、フィリピンなど世界各国のジュエリー企業がこのスマートゴルドATM国際版に興味を示しており、Kinghoodグループはこのシステムがより多くの国に上陸し、世界中のより多くの消費者が先進的なスマートゴールドサービスを体験することを望んでいると述べた。

2024年9月23日現在、金の価格は1グラム13,105円(税込)となっており、1年前の価格から約30%上昇している(田中貴金属データ)。この金価格の上昇を背景に、金宝飾品の世界消費量は2023年には2,093トンで安定している。

今年上半期の中国の金生産量は前年比0.58%増の約180トンだった。しかし、全国的な金消費量は前年比5.61%減の約523.8トンで、金宝飾品の消費量は26.7%減少したが、金の延べ棒や金のメダルなどの売上は46%急増している。このような金宝飾品消費市場の変化の中で同社はこの新しい機械が大きな成長の機会を提供すると考えている。

中国のネットユーザーはこの「ゴールドATM」を歓迎し、中にはその設置場所を探す人もいるという。ある深圳のバイヤーは「金の取引がより透明で確実になる」と利点を述べた。一方で1グラムあたり18元(約360円)という手数料が一部の通常の金販売店で請求される手数料よりも高いと指摘する人もいる。

このATMはショッピングモールや銀行などに設置することを想定しており、機器の代金は約28万ドル。約半年で投資回収できるだろうと同社は説明している。

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