国際ダイヤモンド業界市場最新動向 22.07.02[RAPAPORT]

米国の業者が休暇シーズンに入るため、ラスベガスでの好調から変わり取引は減速している。業界は第3四半期の落ち込みを懸念しているが、ホリデーシーズンには楽観的な予想となっている。

米国のGDPが第1四半期に1.6%縮小し、景気後退の懸念が高まっている。経済見通しの弱さと在庫の上昇の中で、ポリッシュダイヤモンドの価格は下落している。

ロシア産原石の不足は、下半期のポリッシュダイヤモンドの供給に影響を与える可能性が高いとみられている。一方、トレーサビリティの付いた非ロシア産ダイヤモンドは、倫理的でまたプレミアム価格で販売されると予想されている。

天然ダイヤモンド評議会は、アルロサの退会後、マーケティング予算が3,100万ドル不足している。

Luk Fook(六福)は、4月〜5月の売上高が+33%の15億ドル、利益が+37%の1.77億ドルとなったが、中国が減速すると見ている。

デビアスとボツワナは現在の販売契約を2023年6月まで延長する。

デヴィッド・ゴトリブがベルギーのAWDCプレジデントに選出された。

ファンシーカット

市場は安定傾向にあり、カットの良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。1.20〜3.99ct、F-J、VS-SIが最も需要が高い。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。ファンシーシェイプダイヤモンドを使用したエンゲージメントリングへの関心が高まっている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

業者は今年の後半に楽観的だが、盛況だったラスベガスショー以来市場は減速している。休暇シーズン前に典型的なメモ(委託)の要求が多く出ている。1〜3ct、GI、VS2-SI2が最も強いカテゴリとなっている。ブライダルは、夏の取引が静かな期間に商売を維持することが期待されている。ラグジュアリージュエラーがニューヨークのサプライヤーに注文を出しており、ハイエンドの流れは強い。

ベルギー

アントワープのムードは様々で、取引は強力な米国市場によって推進されている。ヨーロッパ市場と中国市場へは注意が払われている。カットの良いピケの小サイズが不足しているため、メレサイズは好調。綺麗にカットされたオーバルとペアシェイプなどのファンシーカットの需要が強い。原石取引は安定している。ボツワナのマシシ大統領がアントワープを訪問し、ハボローネにキンバリープロセスの常設事務局を設置する。

イスラエル

ラスベガスショーが成功した後、市場は静かに。米国の需要は前週よりも低い。香港市場と中国市場は低迷している。業者はいくつかの指定の注文のために仕入れをしている。ロシア産の原石供給、米国市場の7月の休暇シーズン、ラボグロウンダイヤモンド市場の成長不確実性に起因した不安要素がある。

インド

ムードは様々で、いくつかのカテゴリーは安定しており、他のカテゴリーは弱くなっている。0.50ctアップの鑑定書付ダイヤモンドの需要が高い。0.30〜0.40ctのマーケットは弱い。いくつかのファインシーシェイプは減速気味。アルロサの原石供給の減少の中で、作業は生産キャパシティを満たせていない。限られた量のロシア産原石が利用できるとの噂が流れている。インドルピーの低下により、79インドルピー/USD1の安値を記録し、懸念が高まっている。

中国・香港

経済が弱く、取引が低い。ファッションジュエリーへの支出が依然として低迷しているため、ブライダルが市場をサポートしている。0.30〜0.80ct、D-I、VS2-SI2、3EXは着実な需要がある。大きいサイズは動きが少ない。小売業者は、在庫を減らし、より安い家賃の場所に移動することでコストを削減している。中国は入国時の強制隔離期間を短縮するが、観光客や出張は依然として少ない。ロックダウン解除後、中国本土の売上は徐々に増加している。

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