次世代の若手クリエイター育成に挑むWoody Bell

東京・東上野でジュエリー製作、修理、リフォーム、貸し工房を営むWoody Bellは、ハイジュエリーの特殊な修理を得意とし、宝飾業界では“断られるジュエリー修理の最後の砦”として高い評価を得ているジュエリー工房だ。

 2023年に設立30周年を迎えた代表兼職人の鈴木広宣氏は、これまで培ってきた技術や経験を、次世代の若手クリエイターに少しでも伝えていきたいと2017年頃から希望する職人や職人を目指す若者に、ほぼボランティアとして技術を教え続けた。時には小学生に銀粘土でペンダントをつくる時間を提供したほか、クリエイターの祭典「ハンドメイド イン ジャパン」に自ら出展し更なる経験も積んだ。

 仕事の傍ら、許可を得た修理依頼品の動画をYoutubeなどで公開し、職人に対して修理の技術を伝えているが、一方では、小売店などによりジュエリーを大切に販売してもらうことを願い、簡単そうに思われる修理でも、こんなに時間がかかる作業であることを伝えている。

 2020年には、職人を目指す生徒が増え始めたことから、本格的な教室をオープンした。本格的に道具や設備を揃えているが、あくまで業界への恩返しという考えから「レンタル・アトリエWoody Bell」として、希望者が好きな時間に工房を使えるシステムの教室だ。しかも手頃な金額で使用可能で、鈴木さんの技術も提供しながら若手クリエイターの育成に励んでいる。

 更に、この8月にはより広いスペースが必要になったことから工房を移転し、若手育成の強化に入った。

 鈴木代表は「これまではお客様が納得し、喜んで頂けるために技術の向上に努めてきました。業界に生きさせて頂きましたので、ほんの少しですが時間を使い、若手育成に力を入れていきたいと考えています。ジュエリー販売を支えるのは我々職人でありますし、これからの職人はつくるだけではなく、販売も知らなければならないでしょう。時代のニーズに合わせ、Woody Bellも活気ある明るい総合商社を目指し、前に向かっていきたいと思います」と話し、新しい職人としての一つの生き方を実践して見せている。

 新しい工房の住所は、東京都台東区東上野1丁目1—8 竹内ビル2F。電話&FAXに変更はない(03-5622-2390)。

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