
米国の消費者は、バレンタインデーに6.5億ドル相当のジュエリーを購入し、この分野での新記録を樹立する見込みであると、全米小売業協会(NRF)が発表した。これにより、ジュエリーは消費者支出のカテゴリーで最高額となり、外食や花、チョコレートを含むお菓子類、グリーティングカードを上回る結果となる。昨年のバレンタインデーでは、消費者はジュエリーに6.4億ドルを費やすとされており、今年の数字はそれを2%上回るものとなる。
NRFの予測によれば、全体のプレゼント支出は昨年の推定25.8億ドルから7%増えて27.5億ドルとなり、NRFとProsper Insights & Analyticsが2004年に年次調査を始めて以来の最高額となる。過去の支出記録は2020年であった。
「大切な人や生活の中で特別な存在を祝う人々にとって、バレンタインデーは意義深いものだ」とNRFの業界・消費者インサイト副社長のキャサリン・カレンは語る。「消費者は愛する人々に特別な方法で感謝の意を示したいと考えており、小売業者も最良のギフトオプションとお得な商品を提供すると予想される」と説明した。
NRFによると、2025年には半数以上の米国消費者がこの祝日を祝う予定である。その中で支出を計画している層では、平均消費者が189ドルを支出し、前年から2%増となり、2020年のパンデミック前の水準と一致している。この増加は、パートナーへの支出が前年比3%増の14.6億ドルに達するという記録によるものである。家族へのプレゼントの総支出は7%増の4.3億ドルになる見通しだ。
さらに、消費者の3分の1が友人にプレゼントを購入する予定で、これは2024年から28%の増加で、調査史上最高の数字であるとNRFは述べている。約19%が同僚へのプレゼントを購入し、前年から16%の増加を示し、32%がペットのための品物を購入する予定である。今年は男性の参加意欲が過去数年より高く、55%が参加を計画していると回答しており、前年の51%を上回る。
プレゼントとして人気のある選択肢には、チョコレートを含むお菓子類が含まれ、56%の回答者がこれを選んだ。花とグリーティングカードもそれぞれ40%のシェアを獲得している。3分の1以上が外食に支出する予定で、22%がジュエリーを愛する人への第一選択肢として挙げた。
調査によれば、全体の38%の消費者がオンラインで購入する予定であり、34%がデパートを、29%がディスカウントショップを、そして18%が花屋と専門店をそれぞれ利用する考えである。
「消費者はさまざまな方法でバレンタインデーを祝う予定で、周囲の多くの人々への感謝と愛を示そうとしています」と戦略担当副社長のフィル・リストは述べている。「パートナーや家族以外へのプレゼント購入は人気が高まり続けており、消費者がすべての意義深い関係を祝うことに対する関心の高まりを反映しています」と補足した。
また、日本のバレンタイン市場も注目されている。日本ではバレンタインデーに女性が男性にチョコレートを贈ることが一般的であるが、近年では恋人以外の友人や家族、同僚などに感謝の気持ちを伝える「友チョコ」「逆チョコ」などの贈答文化も広がっている。このため、チョコレートのみならず、ジュエリーなどの高額ギフトの需要も増加傾向にある。特に若年層を中心に「自分へのご褒美」としての購入も増えており、日本のジュエリー業界においてもバレンタインデーは重要な商戦期となっている。
コメント