英国で最も贅沢な貴族の一人として知られる人物がかつて所有していた、合計100ctsを超えるダイヤモンドが使用されているティアラが売りに出される。
5月と6月、英国ロンドンの宝石商であるハンコックス・ロンドン (Hancocks London)は、このティアラを展示、販売する。
このビクトリア朝後期のデザインであるティアラは、ペアシェイプやオールドヨーロピアンマインカットなどのダイヤモンドを100cts以上使用しており、下の部分は取り外してリヴィエール(ネックレスの種類)として着用できる。1890年頃に第4アングルシー侯爵の依頼で制作され、第5アングルシー侯爵へと引き継がれた。
「踊る侯爵」の愛称で知られた第5代アングルシー侯爵ヘンリー・パジェット(1875-1905)は、豪華な衣服、毛皮、宝石、贅沢なパーティーや華やかな演劇など、その贅沢なライフスタイルで、遺産や財産を全て浪費、現在の価値にして約7500万ドル相当の負債を残し他界した。
その後の財産はオークションにかけられたが、このティアラは売却を免れその後もアングルシー家の所有物であった。
ハンコックス・ロンドンのガイ・バートンはこう説明する。
「ティアラは売却を逃れ、彼のいとこで相続人でもあるチャールズ・パジェットに相続され、チャールズ・パジェットは第6代アングルシー侯爵になりました。輝かしい軍歴の後、チャールズはメアリー女王の宮内長官を務め、その後数十年にわたって王室と緊密な関係を維持しました。そのため2つの戴冠式に出席しました。
興味深いのは、このティアラが第5侯爵の死後、借金を返済するために売却されなかった数少ない所有物の1つであったことです。そして第6侯爵と侯爵夫人によって所有され、明らかに特別な存在だったでしょう。このティアラは本当に素晴らしく、これまでに見た中で最高のものの1つです。そしてそれを販売できることを嬉しく思います。1つではなく、2つの王室の戴冠式に着用されたという事実に加えて、その興味深い歴史を考えると、それは本当に素晴らしいストーリーを持ったティアラと言えます。」
第6代アングルシー侯爵夫人マージョリーが1937年にジョージ6世の戴冠式のためにこのティアラを着用、その15年後に、第7アングルシー侯爵夫人であるシャーリー・パジェットがエリザベス2世の戴冠式でこのティアラを着用している。
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