ラボグロウンダイヤモンドの小売価格の下降は卸売価格の下降よりも緩やかで、多くの場合小売価格は持続不可能な水準になっていると、デビアスのCFO(最高財務責任者)であるサラ・クイラールスは最近ラパポートに語っている。
このコメントは、デビアスのラボグロウンダイヤモンドブランドであるライトボックス(LIGHTBOX)が、「手頃な」プライスの提供を目的として婚約指輪の試験販売を開始した後のものだ。
クイラールスは先週木曜日のインタビューで、「(ラボグロウンダイヤモンドの)卸売価格が非常に下がってきており、半額、半額、また半額となっていることは非常に良いことだ。」と語った。 また「それは健全なことだが、しかし小売側では少し厄介な問題で、消費者が店内で十分な情報に基づいた選択ができていることをどのように保証するのかという問題があるだろう。」と述べた。
彼女は、ライトボックスがブライダル分野へ参入したのは、多くの小売業者が誤解を招く情報で消費者にラボグロウンダイヤモンドを販売していることに対応したものだと説明した。
多くの場合消費者は「天然(ダイヤモンド)を買うつもりだが、店内でラボグロウンダイヤモンドを購入するように説得されている。」と彼女は言う。「彼ら(消費者)は恐らく、ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドの異なる価格構造について十分に考慮していないでしょう。そして小売業者が消費者の選択を転換することができれば、彼らにとって良いマージンを得ることができます。」と説明した。
米国の2、3都市での小規模な試験販売は、消費者の好みを理解する方法でもあると彼女は付け加えた。「我々は消費者の行動を徹底的に調査しているので、必要に応じて方向転換することができる。そして我々は、消費者に持続可能な価格で販売していない小売業者が存在することを知っている。」と述べた。
ライトボックスの目的は、ラボグロウンダイヤモンド製品を購入したいと考える消費者に、製品の「コスト構造と持続可能性の証明」を確実に理解してもらうことだと彼女は語った。
クイラールスによると、デビアス・グループの取締役会は、ボツワナ政府と親会社アングロ・アメリカンの代表の出席のもと、発売前にこの戦略について話し合ったという。
「彼らは確かにその決定に関与していた。」と彼女は認めた。そしてこの戦略に関して取締役会内で意見の相違はなく、むしろ「議論と支持」があったと彼女は述べた。
共食いに関する懸念
クイラールスは、アングロ・アメリカンの半期決算発表直後に語っている。同報告書によると、消費者の需要が減少し、サイトが低価格の商品に移ったため、2023年上半期のデビアスの収益は前年比21%減の28.3億ドルとなった。
決算発表では、中流在庫の高止まり、経済的課題、中国の原石販売の回復の遅れの影響が浮き彫りになった。しかし、ラボグロウンダイヤモンドとの競争激化についての言及は著しく欠如していた。
「ラボグロウンダイヤモンドが米国に浸透することは分かっていた。」とクイラールスはインタビューで語った。「そして、そのより厳しいマクロ背景を踏まえると、消費者が異なる選択をしているのは理解できると思う。しかし、私たちは依然として市場の差別化を断固としてサポートしている。それらは異なる製品であり、そして異なる市場だ。そして興味深いのは、ジュエリー市場全体の成長を実際に支えているラボグロウンの要素があり、それが誰にとっても健全であるということだと思う。」と述べた。
ライトボックス自体の上半期は「好調だった」と彼女は続けた。デビアスはブランドの財務情報を開示していないが、デビアスグループの総収益とダイヤモンド原石の売上高は公開している。これに基づくと、2023年上半期のダイヤモンド原石以外の同社の収益は前年比約12%増加し、約3.3億 ドルとなる。これにはライトボックス、工業用ダイヤモンド事業のエレメントシックス、デビアスジュエラーズの収益が含まれている。
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