円安が進むにつれ、中国の消費者は日本ラグジュアリー商品購入の意欲を増加させる

円相場はここ最近、過去24年近くの最低値を記録し、7月14日には円対米ドルの為替レートが139円を一時下回った。これは日本経済に一定の打撃を与えているが、日本を訪れる観光客や日本で商品を購入しようとしてる消費者にとっては良いニュースになっている。彼らは日本でラグジュアリーブランド商品を安く買うことができる。

コロナによる旅行制限で観光業が約2年間の停止を強いられていたが、日本は2022年6月10日に正式に入国検査と隔離を免除する方式で外国からの団体旅行を再開した。日本政府は低リスクの98カ国や地域からの入国者にガイド付きツアーを許可し、また同時に1日の入国人数の上限も1万人から2万人に引き上げた。

日本での入国が再開された後、6月22日には香港からの最初の団体観光客を迎えている。現在の超円安相場は、中国香港など海外から日本旅行に復帰する観光客を興奮させている。

一部のラグジュアリーブランドは過去2年間で何度も値上げを実施しているが、現在の円安相場のため、USドル、香港ドル、中国人民元を円に換算して計算すると、日本でラグジュアリーバッグ、腕時計、ジュエリーを買う場合は値上前と同等の価格で購入できることになり、中国本土や香港で買うよりもはるかにお得になっている。

ブルガリのディーヴァドリーム・ネックレスを例に取ると、この商品の日本での外国人観光客向け免税価格は64.9万円だ。これは(記事掲載時点のレートによって)中国人民元に換算すると約3.18万元になるが、中国本土での販売価格は4.48万元のため、日本で購入する場合は1万元以上安く購入できることになる。

また、グッチのホースビット1955 GGミニバッグは日本の公式サイトで税込33.4万円で、中国人民元に換算すると約1.6万元になるが、中国国内の専門店の価格は2.35万元で、7,500元の価格差があることになる。

この傾向は中国からの代理購入を再び盛り上げている。中国のSNSである小紅書(Red Book)では、多くの駐日中国人ブロガーが円安によるお得なラグジュアリー商品の代理購入を積極的に宣伝しており、中国本土の小紅書ユーザーからの価格問い合わせが殺到しているという。

一方で注意すべきなのは、多くのラグジュアリーブランドもこの円安の圧力に耐えられないということだ。6月下旬から8月初旬までの期間で、グッチ、カルティエ、ゴヤールなどのブランドが日本での価格引き上げを実施、または予定しているという。

また、この円安ドル高は日本のラグジュアリー正規店舗だけではなく、中古品の人気も促進している。

中国中央テレビジョン(CCTV)の財経チャンネルの記者は最近、東京の上野エリアを取材し、数百軒の中古ラグジュアリー取引店が集中しているエリアで中古ブランド品の販売が活性化していると報じた。

中古ジュエリー店の1つは、買取りを強化し手頃な価格を提供したいと語った。また、中古品市場が活性化してきており外国人観光客が購入の30〜40%を占めているとも語っている。

円安に加えて、ハイジュエリーブランドの値上げ、供給不足などの理由によって、多くの観光客が中古ラグジュアリー市場で「宝探し」をしているという。

CCTVの報道によると、現在、日本の中古ラグジュアリー品取引市場の規模は118億元(2,360億円)以上に達し、円安が進むにつれてこの規模は更に上昇し続けると見込まれている。

その他にも、アップル製品や日本製の3C(コンピュータ、スマートフォンを含む通信製品、家電)も旅行客の買い占め対象になっている。iPhone13を例に挙げると、日本で販売されているiPhone13miniは4900元(9.88万円)で、中国本土よりも1000元以上お得に購入できる。

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