国際ダイヤモンド業界市場最新動向 22.07.22[RAPAPORT]

  • マーケットの不確定要素の増加に伴い、ダイヤモンド取引は慎重になっている。
  • 米国では高いインフレ率と金利上昇によって消費者の可処分所得が圧迫されている。
  • 中国経済はコロナによるロックダウン、部分的な封鎖、不動産危機、社会的抗議により減速傾向。
  • 製造業者の商品流動性は厳しく、売上を上げるために価格を調整する業者もいる。
  • ダイヤモンド原石の供給量が減少しているにもかかわらず、ポリッシュダイヤモンドの在庫は増加傾向。
  • デビアスの第2四半期の生産量は-4%の790万cts、販売量は+29%の940万cts、プライスインデックスは+28%となり、2022年の生産計画を3,200万ctsから3,400万ctsへ引き上げた。
  • インドの6月のポリッシュダイヤモンド輸出は+2%の$20億、ダイヤモンド原石輸入は+4%の$17億となった。
  • オークション大手サザビーズは、11.02cts D IF エメラルドカットのグラフのダイヤモンドリング(USD$983,068 – US$89,207/ct)を含む合計1800万ドルを販売した。
ファンシーカット

市場は安定傾向にあり、カットの良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。1.20〜3.99ct、F-J、VS-SIが最も需要が高い。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。ファンシーシェイプダイヤモンドを使用したエンゲージメントリングへの関心が高まっている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

業者は夏季休暇から復帰しつつあり、マーケットは安定してきている。ブライダルシーズンのためブライダルジュエリーの需要は堅調。ラウンドとオーバルの1.50cts、G-I、SI-I1の着実な注文がある。消費者の購買活動は引き続き安定しているが、今年の初めに比べると若干弱い。宝石店は大量の在庫を持つことに消極的で、多くの商品がメモ(委託)で取引されているが、サプライヤーは短期の貸し出しを希望している。

ベルギー

米国とヨーロッパの経済不安、また中国市場の減速の影響により、ポリッシュダイヤモンドの取引は低調。業者は第4四半期のホリデーシーズンに向けて明るい見通しを維持している。多くのダイヤモンド業者はジュエリーコレクションを多様化し、発展させている。デビアスのサイトの後、原石の取引が安定してきている。

イスラエル

ダイヤモンド取引所での活動が制限されており、慎重な傾向。外国人バイヤーはほとんど訪れていない。特定の注文に対応するために地元の業者は購入をしている。ハイクオリティ(3EX、傾向性NONE)の商品を主に扱うダイヤモンド業者では、適切な鑑定書付ダイヤモンドを見つけることが難しい。大企業は小売プログラムからの散発的な注文を受けている。米国の経済不確実性にもかかわらず、米国の需要はイスラエルのマーケットを支えている。

インド

為替レートの変動の中で市場は不透明で、ルピーは過去最低の80インドルピー/1ドルを記録た。中国市場と香港市場の低迷の影響を受ける中で、米国の需要が市場を支えている。購入のほとんどは在庫としてではなく、特定の注文に対応するものになっている。0.40ctと0.70ctは着実な需要がある。ロシアからのダイヤモンド原石がないためダイヤモンド原石供給の不足が生じており、供給懸念によってポリッシュダイヤモンドの生産が落ち込んでいる。業界ではインドルピーによる国際貿易を可能にする新しいメカニズムを検討している。

中国・香港

ローシーズンにより、また香港と中国本土への行き来が制限されたままであるため、取引は鈍化している。地域経済の低迷がムードを悪化させており、すべてのダイヤモンドカテゴリーが弱くなっている。コロナによる封鎖が不透明感を生み出したため、中国の宝石店はよりメモ取引(委託)への要求を強めている。香港インターナショナルジュエリーショーへの期待は低い。

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