「天然ダイヤモンドが含まれる可能性があります」と注意書きされたラボグロウンダイヤモンドジュエリー

米国最大のジュエリー企業、シグネット・ジュエラーズが所有するジュエリーブランド、“Kay Jewelers”のウェブサイト上で、「天然ダイヤモンドが含まれる可能性があります」と注釈のついたラボグロウンダイヤモンドジュエリーが掲載されており、業界では話題になっている。

300ドルに設定されたこのピアスは、スターリングシルバーの地金にそれぞれトータル1/4ctのメレサイズのラボグロウンダイヤモンドがセッティングされている。しかし、商品説明には「供給制限により、天然ダイヤモンドが使用される可能性があります」と記載されている。

この事象を取り上げて、JCK Onlineでは「ついにこの日が来た!」と記事の冒頭でコメントしている。つまり、「天然ダイヤモンドにラボグロウンが混入する可能性」については過去何年も指摘されてきたが、逆の懸念が起こると言う意味では、これは歴史的な瞬間と言えるかもしれない。

KayのWebサイトスクリーンショット 「天然ダイヤモンドが含まれる可能性がある」という注意書きが、商品名と同じサイズのフォントで目立つように記載されているのがわかる。

シグネット・ジュエラーズは本件へのコメントに応えていないと言う。一方でジュエリー・ヴィジランス・コミッティー(JVC)の副法務顧問であるサラ・ヨードは、「これは必要な情報開示だ」と見解を示す。ラボグロウンダイヤモンドとして販売されている商品に天然ダイヤモンドが含まれる可能性がある場合、米国連邦取引委員会のジュエリーガイドラインに従い、情報開示する必要があるという。

この問題に対して「特定の(メレ)サイズのラボグロウンダイヤモンドが供給不足になっており、(天然ダイヤモンドの)混合が発生している。」とALTR Created DiamondsのCEOであるアミッシュ・シャーはLinkedInでコメントした。「多くの小売業者がサプライヤーに対して、自分が仕入れるラボグロウンダイヤモンドに天然ダイヤモンドが混ざっていないことを保証するよう求めています。」と彼は述べた。

しかし問題は、天然ダイヤモンドのメレからラボグロウンダイヤモンドの可能性をあるものを取り除くためのマシンは市場にいくつも存在するが、その逆の目的のためのマシンはほぼ存在しないということだ。(いくつかのマシンはそれができる、と言われているがどの程度の精度なのかは確かではない。)

この問題に関してJCKが指摘しているポイントは以下の通り。

  1. シグネットのような大きな予算を持つ大企業であっても、メレサイズのラボグロウンダイヤモンドの調達に問題を抱えているという事実は、業界に課題を残す。
  2. メレサイズのラボグロウンダイヤモンドのほぼ全てが中国で生産されており、供給とサプライチェーンに関してリスクがある。
  3. 研磨工場ではメレサイズのラボグロウンダイヤモンドの採算性が非常に低く、今後の供給問題をさらに引き起こす可能性がある。

確かにメレサイズのラボグロウンダイヤモンドの需要は近年特に高まってきており、現在の生産量は市場の需要を満たすレベルにない。これは生産計画や流通モデル、貿易の駆け引きなど様々な要因が複雑に関係していると見られ、理由を単純に説明することが難しい。

メレサイズのラボグロウンダイヤモンドに関しては、生産と流通の市場を注意深く観察し続ける必要があるだろう。

*Kay Jewelersのサイトには他にもメレサイズのラボグロウンダイヤモンドを使用したピアス、ネックレスが多数存在するが、この注釈が記載された製品はこの1点しか確認できなかった。このピアスにのみバゲットカットのダイヤモンドが使用されており、供給制限があるのはバゲットのラボグロウンダイヤモンドだと推測できるが、確かではない。

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