「梶コレクション展-色彩の宝石、エマーユの美」

ジュエリーアーティスト梶光夫氏が美しく長い間人々に愛され続けてきたエマーユ(七宝)に魅了され、約50年という長い年月をかけて蒐集してきた数百点に及ぶコレクションの中から重要な作品148点を日本が誇る西洋美術専門の国立西洋美術館に寄贈したことが発表された。
それに合わせ3月11日~6月15日まで、寄贈された全作品を一堂に公開する「梶コレクション展-色彩の宝石、エマーユの美」が国立西洋美術館で開催されている。
さらにこれを記念し、エマーユ作品集「炎の芸術エマーユ美しき女神たちの肖像」が出版(東京美術/3960円)された。また、3月10日には「梶コレクション展-色彩の宝石、エマーユの美」のセレモニーと内覧会が開かれ、関係者が集った。

開会にあたり国立西洋美術館長の田中正之氏は、寄贈した梶氏や開催に尽力したすべての人に感謝を述べてから「エマーユの作品の芸術的価値は日本ではまだあまり知られていないかもしれないが、パンフレットに書いた通り、19世紀から重要な芸術ジャンルの1つとして注目されていたもの。芸術のための芸術を旨とする19世紀のフランスの詩人・小説家であるテオフィル・ゴーティエ氏の最も重要な詩集があり、その詩集の中の「芸術」と題されたゴーティエの詩論、芸術論を表明したとも言える詩の中で、エマーユ(七宝)はゴーティエにとって芸術のひとつの理想的あり方であったのかもしれない。エマーユがどのような工芸芸術であるのかを初めてまとまった形で紹介できる。ゴーティエの心も捉えたエマーユの煌めく世界を堪能してもらいたい」と、あいさつに代えた。

梶氏は、「エマーユとの出会いは約45年前の1980年頃に遡ります。パリの小さな骨董店で小箱を見つけエマーユに心を奪われました。それから数々の作品を中心に蒐集ああし、148点の作品を寄贈でき、著名な美術館に受け取ってもらえ、これから多くの人にエマーユの美しさや魅力が伝わることを嬉しく思っています」と感謝を示してから、「エマーユは七宝ですが、フランスだけではなく、スイスやオーストリアなど色んな国でも作られています。ただ私が好きなのがフランスのリモージュで制作されたものになります。七宝の色では赤はルビー、青はサファイアと宝石つながる側面があり、光の当たり具合によっても色彩が変わるなどルーペで見てみたくなる魅力があります。寄贈してからは、新たな蒐集意欲がわいてきて、よりよいエマーユとの出会いに期待が膨らみ、寄贈第二弾ができるよう私も頑張っていこうと思います」と語った。

エマーユは日本では七宝と呼ばれ、金属の素地にガラス質のうわぐすりを焼き付けた工芸品。コレクションのラインナップは多彩で、72点のルース(ジュエリーなどに仕立てられる前の小さな単体)、27点のジュエリー、24点の額装エマーユ絵画、13点の小箱、そして12点のトレーや盃などその他の立体作品が含まれている。エマーユ部分の大きさは1センチほどの小さなものから30センチを超える大きなものまで幅が広く、制作年代はフランス第二帝政の19世紀後半からアール・ヌーヴォーが流行した20世紀初頭が中心。



梶コレクション展-色彩の宝石、エマーユの美
会期:3月11日~6月15日
開館時間:9時30分~17時30分(金・土曜は~20時)
観覧料金;一般500円、大学生250円
公式サイト:https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2025emaux.html
梶光夫
公式サイト:https://www.kaji-international.co.jp/index.html
Instagram:https://www.instagram.com/kajijewelleryart_official/
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