国際ダイヤモンド業界市場 週間レポート 23.02.26[RAPAPORT]

  • 米国市場が時期的に取引が遅く、また中国市場の回復が緩やかなためダイヤモンド市場は静か。
  • 多くのディーラーは3月1日〜5日に開催される香港ショーが中国市場解放のサインになることを期待している。
  • 業界ではロシア産ダイヤモンドへの規制を強化しトレーサビリティを導入するように圧力が高まっている。
  • 小サイズのポリッシュダイヤモンド価格は安定しているが、デビアスが小サイズポリッシュダイヤモンドに対応するダイヤモンド原石価格を2月に約10%引き上げたため、製造業者の利益が圧迫されている。
  • デビアスの2022年の収益は18%増の66億ドル、利益は60%増の5.52億ドル、平均価格は35%増の197ドル/ct、価格指数は23%増加した。
  • リオ・ティントの2022年のダイヤモンド売上高は63%増の8.16億ドル、利益は53増の1.51億ドルとなった。
  • ドバイはダイヤモンド原石の取引センターとしての地位を強化しており、2022年の原石の輸入は7%増の10.7億ドル、輸出は7%増の13.9億ドルとなった。
ファンシーシェイプ

ファッションジュエリーの促進が、長めのオーバル、エメラルドカット、ラディアントの需要を促進している。ミディアム・ショート比率の商品は需要が弱く、価値が下落している。 0.30~1.20ctのファンシーシェイプの需要は低い。1.25ctアップ、F-J、VS-SIの商品の需要は安定。カット品質の良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。 消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

1月の市場低迷後、ポリッシュダイヤモンドの取引は徐々に改善。新規で生産された商品が市場に少ないため、ディーラーは国際市場での購入に苦労している。ラウンドに比べファンシーシェイプが好調。細長いオーバルが最も人気がある。ラウンド、1ct、G-J、VS-SI、3EXのダイヤモンドは婚約指輪のセグメントで比較的人気があるにもかかわらず弱い。メレサイズは安定。

ベルギー

市場は低迷気味だが1ヶ月前よりは改善している。中国が1月に国境を開放しベルギーのダイヤモンド産業を刺激しているため、香港ショーへの期待が高まっている。小さいサイズは安定しており、0.50ct ~ 0.90ct、G-J、VS-SIのドシエ付商品は堅調。1ctは取引が遅い。デビアスの原石価格変動に伴い原石セクターは不安定。一部の人は、上昇した原石価格に対応したするポリッシュダイヤモンドの高騰を心配している。

イスラエル

需要の低迷と価格の下落の中でディーラーは慎重になっている。一部の企業は、ここ数か月で在庫を減らし、米国市場の改善を待ってから再度在庫を購入している。米国の需要は時期的に遅い。ハイエンド向けのファンシーシェイプサプライヤーは好調。香港フェアへの期待はまちまち。徐々に中国バイヤーの活動が増えるとの予想もある。

インド

メーカーは米国とアジア市場の回復を注視しており、取引は安定。中国のディーラーや小売業者は徐々に購入を増やしており、0.20 ~ 0.50ct、D-K、IF-I1、3EX(蛍光NONE)ダイヤモンドの需要を支えている 二次市場での原石価格が高騰している中、利益率は低下している。ポリッシュダイヤモンドの生産は相変わらず低いレベルが維持されている。多くの工場はラボグロウンダイヤモンドの研磨や低コストの天然ダイヤモンド原石のために工場を稼働させている。インドのブライダルシーズンが国内ジュエリー市場を牽引。市場の方向性の指標として業界は香港ショーに注目している。

中国・香港

地域全体のムードは改善。香港のディーラーは3月のショーに楽観的で、中国本土のバイヤーが何ヶ月もの低迷のリバウンドとして購入することを期待している。サプライヤーが香港フェアの準備をする中で0.30~2ctは安定した需要がある。小売は回復しているが、依然としてパンデミック前のレベルを下回っている。中国の個人消費は低調。 ダイヤモンドよりも金のほうがよく売れている。

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