
イスラエルを拠点とするダイヤモンドテクノロジー企業であるSarine Technologiesの2025年度の売上高が、前年比で約25%減の2,960万ドルに落ち込んだと報告された。結果として同社は前年の黒字から3.9百万ドルの純損失を計上し、採掘・研磨業界における投資・購買活動の縮小がテック企業業績にも波及していることを示した。主力市場であるインドでは売上が24%落ち込み、欧州市場では35%減、アフリカ・米国も軒並み売上が低水準となったことが明らかになっている。これは天然ダイヤモンドに対する需要低迷や、米国でのラボグロウン需要拡大、中国消費の弱さが重なった影響とされる。
国際需給構造の変化が販売活動に影響
Sarineの業績悪化要因として、天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンド市場の構造変化が挙げられている。米国ではラボグロウンの人気が高まり、従来の天然ダイヤモンドに代替される傾向が顕在化している。また、中国の消費者需給が引き続き弱く、宝飾品全体の購買意欲が低迷している状況も背景にある。こうした需給のシフトは中間財(原石・ポリッシュ)の需要減少にも波及し、技術装置やスキャンサービスなど同社が提供する資本財の販売意欲を減少させた。
コスト戦略と国際展開の再編
Sarineは収益減少の対策として、インドへの製造・サポート拠点の移転を進め、コスト構造の改善を図る一方、機器販売中心からリカーリング(継続利用料)収入の比率増加を強化している。また、2025年8月にはAI検査システムを開発するKitov.aiへの出資比率を33%取得し、将来的に51%まで増やす可能性を見据えた投資を実施している。これにより収益ポートフォリオの多角化を目指す方針とされる。
需要低迷の背景 – 天然とラボグロウンの市場ダイナミクス
世界のダイヤモンド市場では、天然ダイヤモンドの需要が比較的構造的に弱含んでいる。米国・中国という二大需要国での購買意欲鈍化と、ラボグロウンの価格競争力が天然ダイヤモンド市場を圧迫していることが複数の業界レポートで指摘されている。また、鉱山企業でも売上減少や在庫積み上がりが報じられており、消費者側の購買行動と供給側の価格・在庫戦略が密接に結びついている。



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