イスラエルダイヤモンド取引所、関税問題でWFDBからの脱退を表明

イスラエル・ダイヤモンド取引所(IDE)は、世界ダイヤモンド取引所連盟(WFDB)のメンバーシップを一時停止した。背景には、WFDBの最近の行動、特に米国の関税危機に対する同連盟の対応がある。

IDEは月曜日の会議でこの決定を全会一致で行い、同日WFDBに対して書簡を送った。

「この決定は、連盟の活動に関する情報提供を求めた当所の度重なる要求が、残念ながら無視され続けたことに起因している」との書簡がWFDB事務局長、ロニー・ウンターマン宛てに送られた。また、「連盟内での最近の行動がイスラエルのダイヤモンド産業に損害を与えたことも、理事会の決定に寄与した」とも述べられている。

IDEは今後、国際的な活動を「世界ダイヤモンド評議会(WDC)および国際ダイヤモンド製造業者協会(IDMA)との緊密な協力に集中する」との方針を示している。

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視野の狭さ

IDEのニシム・ズアレット会長によると、「最近の行動」はWFDBの会長ヨラム・ドバシュが新たな輸入関税について述べたメディアでの発言に関連している。

ドバシュはイスラエルの新聞『カルカリスト』に対し、関税の例外措置をダイヤモンドに適用させることを推進したいと述べ、国ごとの取り組みを「視野の狭さ」と評したとされる。市場におけるポリッシュダイヤモンドの多くはインドで製造されており、そのためアメリカに輸出される際に26%の関税が課されることになる。

ズアレットは、ドバシュがあたかも全球的な例外措置を獲得するリーダーであるかのように振る舞っているが、実際にはWDCがこの取り組みを主導していると主張。さらにドバシュのコメントがイスラエル産業の政府への働きかけに悪影響を及ぼす可能性があると警告している。

これに対し、ドバシュは「これらの主張は真実ではなく、正直なところ馬鹿げている」と述べた。

「WFDBは常にWDCのような主要組織と共に、ダイヤモンド業界の地位を向上させるために活動してきた」とドバシュは続け、G7によるロシア産ダイヤモンド制裁に関してもそのように運営していたと説明。現在もダイヤモンドを米国輸入関税の例外とするための取り組みを行っていると述べた。

ドバシュはWDC会長フェリエル・ゼルウキとも話し合い、カルカリストの記事と同じ戦略で一致していることを確認した。また、主要な業界団体と取引所のリーダーたちをオンライン会議に招き、計画を決定する予定だという。

ドバシュは、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、米国のすべてのポリッシュ天然ダイヤモンドに対して関税を引き下げるよう要請する書簡を送付したと述べた。

世界的な課題

IDEのWFDBからの離脱は、「一方でイスラエル産業を守りつつ、他方で一つの専門的で使命志向の組織と 世界的に協力する必要性を反映したもの」とズアレットは述べた。この動きにより、取引所のメンバーは年間29,000ドル以上の節約が可能であるとも付け加えた。

1947年に設立されたWFDBは、世界中の約30のダイヤモンド取引所、クラブ、業界団体の傘下団体であり、メンバー取引所間や個人間の仲裁を可能にする役割を果たしている。

IDEの動きは「予想外で軽率」とドバシュは述べ、世界のダイヤモンド産業が厳しい課題に直面している今、IDEが独自の道を進むことを選んだ、と指摘している。

イスラエルの産業は常に世界的なダイヤモンドセクターにおいて重要な一部であり、WFDBのアクティブな参加者であるとドバシュは強調した。

「なぜ今、他のダイヤモンド取引所との決別を選んだのか理解に苦しむ」と、ドバシュ会長はコメントした。「我々は、団結し、共に活動することで、より強固な存在になれるのだ」と訴えた。

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