4月28日、ティファニーはニューヨークの5番街と57番街の角にある伝説的な旗艦店をリニューアルオープンした。このリニューアルはデジタルスクリーン、絵画、そしてブランドの歴史へのオマージュを含んだ華麗な改装となっている。
ティファニーの声明によると、同社が「ランドマーク」と呼んでいるこの旗艦店が1940年にオープンされて以来「全体的な改装」を行ったのはこれが初めてだ。LVMHがティファニーを買収する前の2018年、同社は同ブランドの売上高の約10%を占めてきたこの象徴的な建物を改装すると発表した。
ティファニーは2020年からは隣の建物で仮営業していた。このリニューアルは当初2021年末までに完了する予定だったが、コロナ禍により、また2021年初頭にLVMHがティファニーを買収したことにより計画が遅延していた。LVMHはティファニーを買収した後、有名な建築家であるピーター・マリノに計画の再考を依頼した。
「何を一番変えたかったかという問題ではありません、私は全てを変える必要がありました。」とマリノはWWDに語った。「私は威圧的な要素を取り除き、ジュエリー購入体験をより明るく、楽しいものにしたかったのです。ほとんどの宝石店は非常に暗いです。」と彼は付け加えた。
一部の業界人は他の新しいティファニーストアのデザインを批判し、ブランドの伝統的な「温かく開放的な」雰囲気から逸脱していると述べる。しかし、CEOのアンソニー・レドルはWWDに対し「包括的なアプローチ」を目指していると語った。
「顧客が居心地良いと感じる必要があり、我々は顧客に圧迫感を与えたくありません。それが非常にティファニーらしく、そしてアメリカ的です。」と彼は述べた。
LVMHは改装の費用についてコメントすることを控えているが、フォーチュンは1.25億ドルから2.5億ドルかかったと見積もっている。WWDは、「コストは9桁台の範囲(億ドル)だと考えられる」と述べている。
ティファニーは、このランドマークが「マンハッタンで最大の店舗の1つになる」と語った。
新しい建物は、時計とアトラス像の下に位置する回転ドアの入り口などよく知られた外観を維持しているが、それも改装されている。
1階にはビデオウォールがあり、スイッチを入れるとセントラルパークとマンハッタンのスカイラインを一望できるが、スイッチを切ると鏡になるという。
3階から8階にまたがる螺旋階段は、ティファニーの有名なデザイナー、エルサ・ペレッティの「官能的で有機的なデザイン」にインスパイアされている。
WWDによると、この店舗にはペレッティのデザインだけでなく、ティファニーのもう一人の有名デザイナーであるパロマ・ピカソのデザインに特化したセクションもあるという。5階には、1961年の映画「ティファニーで朝食を」で主演したオードリー・ヘップバーンに敬意を表した「オードリー・エクスペリエンス」が提供される。
また同社によると、8階と9階は「専用の博物館と展示スペース」になるという。
ジュリアン・シュナーベル、ラシッド・ジョンソン、アンナ・ウェイアント、ダニエル・アーシャムの作品を含む、少なくとも40点のアート作品が店内の様々な場所に飾られている。物議を醸している作品の1つは、ジャン=ミシェル・バスキアの”Equals Pi”で、大部分がティファニーの象徴であるロビンエッグブルー(ティファニーブルー)で描かれている。しかし、このアーティストがそれをティファニーへのトリビュートとして意図したかどうかについては定かではないという。
ティファニーの副社長、アレクサンドル・アルノーは「人々が5番街からティファニーに入るとバスキア(の作品)が目に入ります。これは今ではティファニーブランドの重要な部分になっています。」とニューヨークタイムズに語っている。
“ブルー ボックス カフェ”は同社初のレストランで、(有名な映画の影響によって)「ティファニーで朝食を食べられるのか?」という何十年にもわたる顧客からの問い合わせを受けて2017年にオープンした。新しいバージョンの”ブルー ボックス カフェ”は以前同様、ミシュランの星を獲得したシェフ、ダニエル・ブリュが率いており、アートインスタレーションを備えたプライベートダイニングエリアとバーが新しく追加された。
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