
フランス発のスタートアップ企業Spktrlは、Bluetooth対応かつAI搭載のスマートダイヤモンドリング「Light Ring」を発表した。同リングは1.5カラットのエメラルドカットCVDラボグロウンダイヤモンドを、ホワイトゴールドのベゼルにセットしている。独自性の高いこのジュエリーは、2025年第3四半期より約3,000ドルで予約販売を開始し、2026年中頃に納品開始を予定している。
これまでスマートリングといえば、健康やフィットネスのトラッカー機能が主流であった。しかしLight Ringは、そうした市場の常識を覆す「静かなテクノロジー」の逸品だ。その唯一の機能は、特定のスマートフォン通知を“色の点滅”によってユーザーに伝え、現代人が直面するデジタルの多忙さや注意散漫を抑制する点にある。
利用者がどの通知を重視するかは、内蔵のAIがユーザーの行動パターンを学習し、最適化していく。このため、時間や注意に配慮したオーダーメイド感覚の通知体験が得られるのが特徴だ。

Spktrl創業者のカティア・ド・ラステイリエ氏は、LVMHグループの時計・ジュエリー部門でイノベーション担当リーダーを務めた経歴を持つ。同氏は「私たちのテクノロジーは、スマートフォンの代替や情報処理速度の向上を目指すものではなく、利用者が自身の時間やコントロールを取り戻すことを目的としている」と語る。さらに「このリングでは“石”がインターフェースであり、“色”が言語だ。ユーザーごとにパーソナライズされ、大切なメッセージを、ユーザーの時間と注意を尊重する新しい形で伝える」と強調する。
宝飾とテクノロジーが融合した新しいスタイル“ジュエリーとしての気遣い”は、多忙な現代人やジュエリー愛好家に新たな価値を提示している。デジタル時代のジュエリー市場に、静けさと機能美を併せ持つ“Light Ring”の登場は大きな話題となりそうだ。
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