プーチン大統領「デビアスがロシアとの協力を模索」と主張

Moscow, Russia, March 2022,Russian President Vladimir Putin in meeting

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ダイヤモンド大手デビアス(De Beers)はロシアとの協力関係の強化を望んでいると発言したと、ロシア国営タス通信が報道した。

ただし、現時点で、デビアスおよび親会社アングロ・アメリカンによる確認やコメントはない。

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アルロサの競合に言及、協力の内容は示さず

発言があったのは、10月28日にモスクワで開かれた第3回ロシア・アフリカ首脳会議に伴う展示会だ。タス通信によると、プーチン大統領はデビアスをロシアのダイヤモンド採掘大手アルロサ(ALROSA)の主要な競合と位置づける一方、欧米での困難を背景に、ロシアや同国企業との関係構築を望んでいると説明。ロシアとしては、そのような協力を歓迎すると述べた。

同大統領は、欧米によるロシア産ダイヤモンドと生産企業への制裁がインドとの協力を妨げ、同国のダイヤモンド加工業に損害を与えているとも主張した。ただし、損害の規模や算定根拠は示されていない。

過去には取引関係、欧州の競争政策が転機に

デビアスとアルロサには、長年にわたる原石取引の歴史がある。欧州委員会の2006年の決定文書によると、アルロサの前身を含む両者の取引関係は1959年にさかのぼる。

一方、欧州委員会は、デビアスによるアルロサ産原石の購入が、他の顧客にとって代替的な供給源へのアクセスを狭め、両社間の競争を妨げる可能性を懸念した。これに対し、デビアスは購入額を段階的に縮小し、2009年以降はアルロサから直接・間接に原石を購入しないとする確約を提出。欧州委員会は2006年2月22日、この確約に法的拘束力を持たせる決定を採択した。

この経緯は、両社の関係が単なる競合関係にとどまらず、原石供給と競争政策の双方に関わってきたことを示す。

第三国での加工も対象となるロシア産ダイヤ制裁

現在の事業環境では、原石の採掘地と加工地を区別して把握することが重要になっている。米財務省外国資産管理局(OFAC)の説明によると、米国は2022年3月にロシア原産の非工業用ダイヤモンドの輸入を禁止。その後、第三国で実質的な加工を受けたロシア原産の非工業用ダイヤモンドについても規制を拡大し、2024年3月から1カラット以上、同年9月から0.5カラット以上を対象とした。

EUも、ロシア原産、ロシアから輸出されたもの、ロシアを経由したものに加え、第三国で加工されたロシア産ダイヤモンドを禁止対象としている。

デビアスは原産地の可視化を推進

一方、デビアス自身が公表している事業方針では、原産地と流通経路の透明性が重視されている。同社は、ブロックチェーンや人工知能を活用するプラットフォーム「トレーサー(Tracr)」を通じ、天然ダイヤモンドを採掘地から小売段階まで追跡する取り組みを進めている。公式サイトでは、こうした情報が責任ある調達や消費者の信頼に加え、G7のダイヤモンド輸入規則への対応を支えると説明する。

焦点は企業側の説明と、協力の具体的な範囲

今回確認できるのは、プーチン大統領がデビアスとの協力について発言したことだ。デビアスが協力方針を公表したことや、アルロサとの新たな契約が成立したことを示す情報は現時点では出ていない。

今後の焦点は、デビアス側の説明、協議の有無、協力対象となる事業の範囲だ。原石の調達や販売に関わる内容であれば、対ロシア制裁に加え、競争政策との関係も論点となる。ジュエリー企業にとっては、今回の政治的発言と、実際の供給・取引条件の変化を区別することが重要だ。

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