国際ダイヤモンド業界市場週間レポート 22.12.11［RAPAPORT］

ホリデーシーズンの売上が勢いを増しており、米国のジュエラーは見通しを明るくしている。
シグネット・ジュエラーズの第３四半期の収益は+3%の16億ドル、利益は-60%の3,800万ドルとなあり、予測を引き上げている。
ディーラー取引は慎重。
製造業者は在庫回転を上げ在庫を削減するプレッシャーにさらされている。
小さいサイズは1ct以上よりも好調。
中国市場は低調だが、一部のカテゴリーでは底を打ったと考えられている。
デビアスは市場不安定のためサイトホルダー契約を１年間延長し、12月のサイトで価格を安定させようとしている。
クリスティーズ・ニューヨークでは、1,180万ドルで落札された32.62cts、ファンシーブルーのペアシェイプを含む、5,900万ドル（出品ロットの93%）を販売した。
サザビーズ・ニューヨークでは、1,240万ドルで落札された303.10ct、ファンシーブラウンイエローのペアシェイプを含む、5,000万ドル（出品ロットの81%）を販売した。

ファンシーシェイプ

ファッションジュエリーの促進が、長めのオーバル、エメラルドカット、ラディアントの需要を促進している。ミディアムとショート比率の商品は需要が弱く、価値が下落している。 0.30～1.20ctのファンシーシェイプの需要は低い。1.25ctアップ、F-J、VS-SIの商品の需要は安定。カット品質の良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

ホリデーシーズンの需要がビジネスを活性化させているが、商業活動とムードは昨年と比べると弱い。メモ取引は安定して販売へ繋がっている。モールへの客足は強いが、消費者はオンラインプラットフォームやソーシャルメディアを使用して商品を調べたり購入するのに活用している。ファンシーシェイプはラウンドよりも売り上げが良く、特に細長い形状が強い。

ベルギー

ディーラーは米国のホリデーシーズンの駆け込み注文への対応に集中しており、取引は静か。バイヤーは購入商品の条件を厳しくしており、適切な商品を探すのに苦労している。需要の縮小により、サプライヤーは売りづらい商品を大量に在庫として抱えている。1ct以上のダイヤモンドの市場は緩やか。0.30ct~0.50ct、G-J、SIのカテゴリーは改善している。デビアスのサイトの間に原石市場は慎重になっている。

イスラエル

市場ムードは低迷。バイヤーは購入を焦っておらず、適切な商品の取引ができるのを待っている。米国の多くのサプライヤーが、ホリデーシーズン最終に向けた売上増加を推進している。極東市場向けの需要が減少している。中国のバイヤーは0.30ctの商品への関心が高い。1ct以上のダイヤモンドの商品は多い。ラボグロウンダイヤモンドがブライダルジュエリーのカテゴリーにどのように影響するかについての関心が高まっている。

インド

海外市場の需要が不確実で取引活動が低迷している。米国市場からのホリデーシーズンピークに対する注文は堅実。中国市場向けは低迷しており、Covid-19の規則が緩和され市場の回復を刺激することを望んでいる。香港市場は鑑定書付ダイヤモンドの動きを見ている。ダイヤモンド原石市場は、ポリッシュダイヤモンドの生産水準が低いため弱くなっている。価格が低下し続けるにつれてラボグロウンダイヤモンドの販売は安定しており、一部ではRap-97%〜-99%に達するものもある。