国際ダイヤモンド業界市場 週間レポート 23.03.11[RAPAPORT]

  • 取引は遅く、市場感情は複雑。
  • 景気の先行き不透明感は残るものの、米国市場は回復の兆しを見せており、下半期の回復に期待が高まっている。
  • 香港ジュエリーフェアでは中国バイヤーが価格帯を調査しており、中国市場のコロナ禍で抑圧された需要が高まっていることを示している。
  • コロナによる混乱を抜け、多くのディーラーは中国市場との取引再開を歓迎している。
  • 小さいサイズのセグメントが強い。 最近の原石価格の上昇により研磨業者の利益率に圧力がかかっているという懸念がある。
  • デビアスの2月の売上は24%減の4.95億ドルとなった。
  • 多くのサイトホルダーは年内に大きな購入を計画していると考えられている。
  • 研磨業者は生産量を増やしているが、依然として生産キャパを大幅に下回っている。
  • イスラエルの2月のポリッシュダイヤモンド輸出は80%増加して6.42億ドル、原石の輸入は10%減少して1.1億ドルとなった。
ファンシーシェイプ

ファッションジュエリーの促進が、長めのオーバル、エメラルドカット、ラディアントの需要を促進している。ミディアム・ショート比率の商品は需要が弱く、価値が下落している。 0.30~1.20ctのファンシーシェイプの需要は低い。1.25ctアップ、F-J、VS-SIの商品の需要は安定。カット品質の良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。 消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

市場感情は上昇。需要が安定しており、人気カテゴリーの商品は品薄に。メモ取引の需要と売上への転換は着実。1.25ct~2.50ct、G-J、VS-SI、3EXが好調。ファンシーシェイプも好調。細長いオーバルが最も好調なカテゴリー。メレサイズの需要が強い。ブライダルセグメントへの需要が堅調で、ジュエリー小売りビジネスの安定性を支えている。

ベルギー

米国とヨーロッパの需要が鈍化しており、市場は活気に欠けている。極東市場は改善しているが、まだ活発ではない。香港フェアでのネットワーク構築のチャンスは、今年後半の大きな受注への期待を高めるものとなった。大量の在庫を持っているディーラーは流動性の低い商品に対して大きな割引を提供している。ダイヤモンド原石の取引は慎重で、オークション市場で値上がりしている。

イスラエル

ポリッシュダイヤモンドの取引は低調。香港フェアでは販売が事前期待を下回ってろ、ディーラーは失望のうちに展示会を終えた。米国からの注文、特に大手ジュエラーからの特定のカテゴリーが多少増加。小さいサイズの商品は好調。ファンシーシェイプはラウンドよりも流動性が高い。

インド

香港フェアが中国市場の強い需要のサインとなったことで、活動は安定している。メーカーは多くの問い合わせを受けているが、実際の取引は限られている。0.30ct〜2ct、D-K、IF-I1、蛍光NONE、3EXダイヤモンドに対する中国からの安定需要。米国の売上は改善。D-H、IF-VVS、3EXに対する地元インドのトレーダーからの強い関心がある。ファンシーシェイプは好調。二次流通市場での原石価格は安定。

中国・香港

業界は3月の香港フェアによる追い風を歓迎している。2年以上にわたるコロナによる混乱を抜け、香港フェアへのバイヤーの訪問は好調。中国本土のバイヤーが多く香港フェアに訪れたが、多くの場合サプライヤーが値下げを提供した場合にのみ取引した。サプライヤーは販売を促進し商品の流動性を高めるために割引を提供した。中国市場の開放に伴い、今後数ヶ月の見通しは明るい。

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