1万ドルや2万ドルの婚約指輪をオンラインで購入することが考えられなかった時代は、それほど昔のことではない。しかし、現在ではテクノロジーの進歩とデジタル取引の整備によって、ますます多くの消費者がそのオンラインでの購入を選択している。特に、プロフェッショナルが購買プロセス全体を通して消費者をエスコートする場合にその傾向は顕著だ。
D2Cダイヤモンドジュエリーブランド「The Clear Cut」が、創業から5年も経たないうちにInstagramやTikTokを利用した消費者にプレッシャーをかけないプレゼンテーションによって多くの顧客のニッチを切り開くことができた理由はまさにそれだ。
The Clear Cutの共同創設者兼CEOであるオリビア・ランダウは、決済プラットフォームメディア大手のPYMNTSに「我々はダイヤモンド・コンシェルジュサービスのようなものです」と語り、顧客と簡単な1対1の電話相談から、電話相談後に熟読することができるカスタマイズダイヤモンドリングの提案デジタルポートフォリオを提供する方法を説明した。「我々は卸売業者と小売業者の方法で、しかし最終的な消費者に直接コンタクトしています。彼らが本当の専門店に行かない限り通常は提供されないようなレベルの顧客サービスと専門知識を我々は提供しています。」と彼女は付け加えた。
ブログとしてのスタート
ランダウは、4代目のGIA認定ジェモロジストであるが、同時に彼女はプレッシャーや居心地の悪さがある実店舗の対面での購買体験よりも、オンラインショッピングの快適性を支持するデジタルネイティブのいち消費者だ。
ランダウの夫であり、The Clear Cutの共同創設者兼COOであるカイル・サイモンは、The Clear Cutは元々、友人たちへの相談とアドバイスのための情報ブログとしてスタートしており、それが結果的に現在、顧客教育を中核とする月商100万ドルをこえるデジタルジュエリーオペレーションを生み出したと説明している。「これら全てはブログとして始まりました。私たちが行っていることの多くは、ソーシャルメディアを利用して顧客を教育することであ理、そのため常にブログを振り返ることが重要だと思っています。」とサイモンは言う。「この(ソーシャルメディアの)世界で、我々のフォロワー及び顧客は、(我々の)教育コンテンツを通じて力(知識)を得ているため、彼らは実際に地元の宝石店の販売員よりも多くの情報を持っています。」と彼は付け加えた。
サイモンはまた、ブランドのバーチャル「GEM」サービスに言及した。これは顧客のニーズと予算に合ったアイテムのバスケット機能を備える一種のプライベート・ドロップボックスで、24時間365日アクセスしてリサーチしたり質問したりすることができ、顧客が最終的に購入する準備を助けるものだ。
デジタルダイヤモンドシフト
デジタルを活用したダイヤモンドマーケットの上昇トレンドをフォローしているのは、このThe Clear Cutだけではない。デジタルの活用がダイヤモンドビジネスの成長戦略であることは、ブリリアント・アースが報告している好調な収支結果や、ジュエリー業界の最大手であるシグネット・ジュエラーズがECの大手であるブルーナイルを買収したことによって証明されている。
ランダウは、彼らのジュエリーコンサルティングの手法を、不動産業界では一般的になってきているバイヤーズエージェントになぞらえ、このコンサルティングアプローチが、一般的な婚約指輪や結婚指輪の購入候補者だけでなく、誕生日や仕事での昇進など、様々な人生のマイルストーンを迎える女性の自己購入の新しいマーケットにもアピールする可能性があると述べている。
「我々の全体的な目標は、顧客が購入した後にまた戻って購入したいと思えるような経験と品質を創造する事です。我々は、お客さまの人生の大きな瞬間やお祝いのイベント全てに立ち会うことを願っています。」とランダウは述べている。
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