2022年5月10日、サザビーズジュネーブは時計デザイナーのジェラルド・ジェンタが所有していたオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」を210.7万スイスフラン(約213万ドル)で売却。ヴィンテージ ロイヤル オークの落札額新記録を樹立した。
当初30万から50万スイスフランと予測されていた落札額を大きく上回り、6分間にわたる8人の競り合いの結果、最低額の7倍の金額で決着した。
ジェラルド・ジェンタの所有する時計がオークションに出品されたのは初となる。
このロイヤル オークは1978年に彼のスイスのワークショップで18金のベゼルが追加されている。(オーデマ ピゲの公式記録に金のベゼルの追加がないことが、ジェンタ自身によってベゼルが追加されたことの裏付けとなっている。)
ジェンタはこの時計を気に入り、長年誇らしげに着用していたことが、いくつかの有名な氏の写真を含め確認されている。
この記録的なオークションは、ジェンタが所有する油絵と、NFTを紐付けた100のジェンタのデザインを含むオークションのハイライトとして実施された。サザビーズは6月、ニューヨークで別のセール「ジェラルド・ジェンタ – アイコン・オブ・タイム」を開催すると発表。ジェンタがプロデュースした最も価値のあるディズニーテーマの時計を特集する。
販売収益の一部は、ジェラルド・ジェンタ・ヘリテージと、ジェラルド・ジェンタ・プライズ・フォー・ヤング・タレントなど、時計業界の新世代デザイナーを育成する目的に使用される。ジェラルド・ジェンタ・ヘリテージは、ジェラルド・ジェンタが2011年に他界した後、2019年に設立された。
「ジェラルドは誰よりもアーティストだった」と、未亡人でありビジネスパートナーであり、そしてジェラルド・ジェンタ・ヘリテージの社長でもあるエブリン・ジェンタは述べた。「彼のロイヤル オークは彼の最も象徴的な時計の1つであり、そのような例外的作品は、最もこれを高く評価する人の元に行くでしょう。」
ジェラルド・ジェンタは1931年にスイス、ジュネーブで生まれた。15歳からジュエラーとして修行を積み、23歳でデザイナーに転向した。その後多数の時計メーカーからデザインを委託され、成功を収めている。その代表作がオーデマ ピゲのロイヤルオークだが、それ以外にインジュニアSL、ダ・ヴィンチ(IWC)、コンステレーションC(オメガ)、クレドールファーストモデル(セイコー)、ノーチラス(パテック・フィリップ)、パシャ(カルティエ)、ブルガリ・ブルガリ(ブルガリ)など数々のデザインを手掛けており「時計のピカソ」として知られる。
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