
米国の超高級時計・ジュエリーブランドJacob & Coが、ドイツの電子機器メーカーLoewe(LVMHグループのLoeweとは異なる)と提携し、サファイアまたはダイヤモンドをふんだんに使用した限定ヘッドフォンを発表した。デジタルデバイスへの宝飾業界の参入が加速する中、ラグジュアリーとテクノロジーの境界線が一層曖昧になりつつある。
宝石が織りなす音の世界
このコラボレーションでは、「Noir Rainbow(ノワール・レインボー)」と「Ice Diamond(アイス・ダイヤモンド)」の2モデルが発表された。Noir Rainbowは14Kローズゴールドに15.97カラットのマルチカラーサファイアをセッティング。一方のIce Diamondは14Kホワイトゴールドのフレームに12.47カラット相当の456個のブリリアントカットダイヤモンドが施されている。
基本モデルとなるLoewe Air Oneは約21万円だが、Jacob & Coの技術が加わったサファイアバージョンは約1,740万円、ダイヤモンドバージョンは約2,090万円という破格の価格設定だ。各モデルわずか5セットのみの生産となる。
ウェアラブルラグジュリーの新時代
両社CEOはこの提携について「ラグジュアリーウェアラブルの再定義」と表現し、「豪華さだけでなく、現代のライフスタイルにシームレスに接続される体験を形作る」ものだと強調している。
宝飾業界では近年、伝統的なジュエリー領域を超えた展開が活発化しているが、今回のコラボレーションはJacob & Coにとって初のテクノロジー企業との提携となる。業界内では「ラグジュアリー市場の多様化」「新たな顧客層の開拓」という観点から注目を集めている。
Loewe × Jacob & Coのヘッドフォンは8月末、モナコのLoeweヨットで初お披露目された。富裕層の生活様式の変化に合わせ、装飾品としてだけでなく機能性も兼ね備えた宝飾品の市場は今後さらに拡大する可能性がある
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