国際ダイヤモンド業界市場 週間レポート 22.08.29[RAPAPORT]

  • ベルギーとイスラエルの業者は夏季休暇から戻っているがダイヤモンドマーケットは慎重で取引が遅い。
  • ニューヨークでの取引が徐々に回復しており、ホリデーシーズンには幾らか楽観的。
  • メモ取引の要求が上昇。
  • 中国をはじめとした極東は減速しており、0.20~0.30ctの需要が減少している。
  • 一次供給のダイヤモンド原石は価格が高いが、二次マーケットの価格はプレミアムが減少。
  • ブルームバーグは、ロシアのアルロサが月間2.5億ドル相当のダイヤモンド原石を販売していると報告。
  • 利益率が低いためダイヤモンドメーカーはダイヤモンド原石の過度な購入を控えている。
  • 販売が不審のためポリッシュダイヤモンドの在庫レベルが上がっている。
  • バイヤーは受注に対応するためトップクオリティのダイヤモンドを局所的に選択して購入している。
ファンシーカット

0.30ctから1.20ctのファンシーカット市場は冷え込んでいる。カットの良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。1.20〜3.99ct、F-J、VS-SIの需要は安定している。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。ファンシーシェイプダイヤモンドを使用したエンゲージメントリングへの関心が高まっている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

ジュエラーがホリデーシーズンの準備を始めるにつれて取引は徐々に向上している。メモ取引の需要は相変わらず強い。ラウンド、クッション、オーバル、エメラルドの1.25~1.75ct、G~I、VS2~SI、3EXの需要は好調。ラウンドはファンシーシェイプより良好。ダイヤモンドとエメラルドの需要が高まっているため、ジュエリーメーカーは7月より楽観的。

ベルギー

ダイヤモンド取引所が3週間の休暇から復帰し、取引は上昇している。米国からの需要は堅調だが、季節的に受注が伸び悩んでいる。中国市場からの需要は低い。原石相場は安定しているが、高値が懸念されている。

イスラエル

大勢の業者がまだ夏季休暇のため市場は静か。市場の方向性が不確実の為、ダイヤモンド業者は慎重。米国市場の需要に主に焦点を当てており、中国本土、香港の需要はまだ低い。取引業者は繁忙期の第4四半期に向けて商品を探している。バイヤーは過去2ヶ月と比較しても商品の選択に慎重になっており、価格変動に注意している。

インド

需要が低迷しており、ポリッシュダイヤモンドの取引は低下している。取引業者は市場の動向に不安を感じている。小さいサイズのダイヤモンド(0.01~0.29ct)の動きは弱い、カラーの高いスターサイズは安定している。1ct、G-I、VS-SIの受注は安定している。1ctアップのファンシーシェイプの在庫レベルが低下したため、そのカテゴリーの市場状況は良好。在庫レベルが高く高額なダイヤモンド原石の購入に躊躇している中で、生産工場の生産レベルは低い状態を維持している。

中国・香港

宝石店が在庫低下に対応するにつれて、地元の取引には改善が見られる。香港政府は外国人の入境にかかる隔離検疫を3日間に短縮し、経済が回復しつつある。一部の業者は、コロナにより(香港ではなく)シンガポールで開催される9月のジュエリーショー(9/27 – 30)の準備をしている。中国本土では一部の都市で7月にロックダウンが見られたが、小売市場は徐々に回復してきている。

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