ダイヤモンド・トレンドウェビナー – マーティン・ラパポート

RAPAPORT Groupの会長であるマーティン・ラパポートは9月17日に「Trading Cautiously – 取引の慎重性」と題したウェビナーを開催、現在のダイヤモンド市場の動向の分析と、不確実性について独自の見解を述べた。

同ウェビナーはラパポートの主観による独自の見解だが、参考にポイントを要約する。

天然ダイヤモンド市場の二極化

パンデミックによるダイヤモンド業界の好調が終わりに近づき、天然ダイヤモンドの小売市場は縮小している。そのため市場は二極化の傾向を示し始めている。

消費者層の観点からは、富裕層は十分な資産を保持しているため、インフレや金利上昇の影響を受けにくい。そのためダイヤモンドを含むラグジュアリー商品の消費能力は低下していない。むしろインフレが起こることによって富裕層は資産の「避難先」として大粒で高品質な天然ダイヤモンドを購入し始める傾向がある。このような状況の中でミドルクラスの可処分所得は低下し、ラグジュアリー商品の消費に大きな影響を及ぼしている。低所得クラスの消費能力は本来弱いため、この層はダイヤモンド小売市場の大局に及ぼす影響は小さい。

ダイヤモンド業界の観点からは、2022年上半期にインドの天然ダイヤモンド輸出平均価格は著しく上昇している。また、米国の0.50ct以上の天然ダイヤモンドの輸入量と輸入額は共に上昇している。

ダイヤモンド在庫レベルの増加

現在、天然ダイヤモンドサプライチェーン中流の在庫レベルはパンデミック以前をはるかに上回っている。RapNetの在庫データを参照すると、パンデミック以前のピークで約160万ピースだったものが、現在では約180万ピースまで上昇している。

カテゴリー単体で見ると、1.00ct、D-H、IF-VS2の天然ダイヤモンドの場合、明らかな在庫レベルの増加と価格低下の状態が見てとれる。ただし、同じグレードの0.30ct以下に関しては在庫レベル、価格と共に低下している状況が確認できる。

ダイヤモンド市場の状況

一次市場の価格は基本的に安定している。
二次市場価格の高騰は前月(7月)から大幅に減少し、12%ほどから2%程度に低下している。
ポリッシュダイヤモンドの需要が低下する要因を加味すると、サプライチェーンの中流はダイヤモンド原石の調達において利益的に圧迫を受けている。これについて「利益を取ることができず、ダイヤモンド原石を調達できない」とラパポートは述べる。
将来的には短期的に価格が下がる可能性を示唆している。

ラボグロウンダイヤモンドのリスク

ラボグロウンダイヤモンド業界は、不誠実な方法でラボグロウンダイヤモンドを宣伝しており、天然ダイヤモンドのように価格を維持できない可能性について消費者に十分に情報を開示していない。

ラボグロウンダイヤモンドの小売価格は全体的に低下傾向にあるが、現在(特にブライダルの分野で)ラボグロウンダイヤモンドの販売を促進しているのは短期的な収益の目的の為である。

*ラパポートの個人的な見解を含む

ダイヤモンド業界の未来

ラパポートは、業界を分析する際にダイヤモンド原石の供給状況に注意を向けすぎるのではなく、市場の需要を観察するべきだと述べた。何故なら、需要が業界の発展を牽引する重要なファクターだからだ。現在の世界情勢から分析すると、将来的に世界経済の成長減速は避けられないものであり、米国のインフレと金利上昇はダイヤモンド業界の発展にも影響を与える。中国市場の減速の影響も加味すると、世界の小売業者はより慎重にならざるを得ない。

「パンデミックによって引き起こされた(ダイヤモンド業界の)パーティーは終焉を迎えた」とラパポートは述べた。

ウェビナーのアーカイブは以下より閲覧可能。

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