デビアスは今週のサイトで小さいサイズのダイヤモンド原石の価格を引き下げたが、この引き下げは収益性の課題を改善するには至っていないと製造業者らはコメントした。
市場関係者によると、デビアスは3グレナー(0.75ct)以下のダイヤモンド原石価格を4%から6%引き下げ、4〜6グレナー(1〜1.5ct)のダイヤモンド原石価格は約4%引き下げられたと推定している。
5~10ctのダイヤモンド原石の価格はわずかに上昇したが、これはアソートの変更を部分的に反映しており、アソートの変化によって価格変動が定量化できない可能性があるため、これらの価格変動を見積もるのは難しいと彼らは述べた。
これに対してデビアスはコメントを控えている。
低いマージン
デビアスの3グレナー以下のダイヤモンド原石価格はここ数カ月比較的高止まりしており、それらで生産されたポリッシュダイヤモンドは昨年の業界全体の不況下でも生き残った。そしてその結果、デビアスはこのカテゴリーの価格をしばらく据え置いていた。
しかしその後、デビアスのダイヤモンド原石価格とその他の市場との価格差が拡大したため、デビアスは今回このカテゴリーの価格修正を行うことになったと関係者は説明した。
あるサイトホルダーは匿名で「価格を下げていなければ、(ボックスの購入を)拒否する人も出ただろう。これは販売量を維持するのに役立っただろう」と語った。
ポリッシュダイヤモンドの価格は2022年2月以降大幅に下落しているが、デビアスは市場低迷にもかかわらず昨年下半期は大きな変更を避け、ダイヤモンド原石価格に対する保守的なアプローチを維持していた。1月に多くのカテゴリーの価格を大幅に引き下げたが、複数のディーラーによると、デビアスの小さいサイズやメレサイズのためのダイヤモンド原石の価格がオークションや入札に比べて高く、サイトホルダーの利益率が下がっているという。
「これらのボックスは今まで、特に2グレナー(0.5ct)以下のものは非常に高価だった。」と関係者の1人は述べており、現在は「前回よりも赤字ではなくなっている。」と指摘した。
ポリッシュダイヤモンドの減速
デビアスの2024年4回目の取引である5月のサイトは、米国と中国の小売需要が低迷する中での開催だが、第1四半期はポリッシュダイヤモンドの売上が回復しているように見えたが、4月のマーケットは時期的に低迷しており、一部の見方によると、例年より減速していたという。
今年最大の改善が見られたのは、ラボグロウンダイヤモンドとの競合により昨年最も打撃を受けていたSIクラスのダイヤモンドだったが、RapNet ダイヤモンドインデックス(RAPI™)ではVSクラス以上のクラリティの商品が苦戦していた。1ctの商品(ラウンド、D~H、IF~VS2)は1月1日から5月1日の期間で3.9%下落している。
状況に詳しい関係者は、2月のサイトでデビアスのダイヤモンド原石を購入した企業は、ポリッシュダイヤモンドの完成までに約6~8週間かかり、完成商品が赤字か損益分岐点の価格で販売されていることに気づいたと指摘した。
別の関係者は「ポリッシュダイヤモンド市場は依然として非常に落ち込んでいる」と述べた。
月曜から金曜まで開催されるこのサイトは、デビアスの親会社であるアングロ・アメリカンが事業を売却する可能性があるとの報道により、デビアスの将来をめぐる憶測の中での開催となっている。鉱山会社であるBHPはアングロ・アメリカンにデビアスの買収として389億ドルを提案したが、同社はこの提案を拒否している。
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