ステラ・マッカートニーがラボグロウンダイヤモンドの作品を発表

LVMHと提携するファッションブランド『ステラ・マッカートニー』は、ラボグロウンダイヤモンドを作品に使用、今週月曜日(2024年5月6日)にニューヨークのメトロポリタン美術館で開催された2024メットガラで作品を公開した。

この作品は、アメリカを拠点とするラボグロウンダイヤモンドジュエリーブランド『VRAI』とのコラボレーションだ。

マッカートニーは、ゲストのエド・シーランとチェリー・シーボーン、そしてVRAIのゼロエミッションダイヤモンド工場で作成された500カラットのダイヤモンドを身に着けたファッションモデルのカーラ・デルヴィーニュとともに、VRAIのダイヤモンドジュエリーを身につけてレッドカーペットに登場した。VRAIはこの衣装を「今年のメットガラのレッドカーペットで最もサステナブル」と表現している。

デルヴィーニュは、VRAIのラボグロウンダイヤモンドで覆われたフード付きの背中の開いたボディスとリサイクルシフォンとシルクのスカートを着て登場し、また2インチのカスタムダイヤモンドカフスとダイヤモンドパヴェリングを着用した。

これらのファッションはステラ・マッカートニーとVRAIが共同制作したもので、すべて持続可能な素材で作られている。「このクチュールには一切の妥協がありませんでした。」とVRAIのCEOであるモナ・アカヴィは述べ、「ステラは、アイデアのスケッチから最終的なスタイリングに至るまで、プロセス全体を通して非常に実践的でした。私たちのビジョンの一致は完璧でした。」と説明している。

エド・シーランはダイヤモンドのカフリンクスとダイヤモンドがちりばめられたボウタイを着用し、妻のチェリー・シーボーンは様々なシェイプのダイヤモンドを使用した目を引くカスケードネックレスとブレスレットを着用、これらは合計100カラットになった。VRAIは同社のダイヤモンドについて「(天然ダイヤモンドと比較して)1カラットあたり143ポンドの炭素を削減し、これは50ポンド(22.67kg)の廃棄物をリサイクルすることに相当する。」と説明している。

ステラ・マッカートニーの代表者は「VRAIとステラ・マッカートニーはどちらもサステナビリティとその分野のリーダーを提唱し、ファッション業界の透明性を高めることに情熱を持っています。」と語った。また「2024年の夏はステラ・マッカートニー史上最もサステナブルなコレクションとなるため、今年VRAIとコラボレーションするのは理にかなっています。長い時間が経っていましたが、メットガラはこのコラボレーションを発表するのに最適な瞬間でした。」と説明している。

近年、ラボグロウンダイヤモンドの先駆的生産者であるDiamond FoundryのジュエリーブランドであるVRAIは、ドーバーストリートマーケット、ジバンシー、有名スタイリストのRandMなど、トレンドのファッションブランドとコラボレーションしている。スタイルに敏感なラボグロウンダイヤモンドの中心的顧客層である若い世代は、ラボグロウンダイヤモンドの価格の低下による魅力の増加はもちろんのこと、ラボグロウンダイヤモンドをより社会に対して責任のある選択で、またサスティナブル・ラグジュアリーの入り口であると認識している。

ラボグロウンダイヤモンドは一部の天然ダイヤモンドに伴う不透明なサプライチェーンや環境の影響がないと考えられている。一方で生産に多くのエネルギー(電力)を消費するラボグロウンダイヤモンドでは、カーボンニュートラル認定されたDiamond Foundryのダイヤモンドなど、再生可能エネルギーを利用したラボグロウンダイヤモンドがそのサスティナビリティを担保している。

「ステラ・マッカートニーとVRAIはパーフェクトフィットです。これは両社が一緒に何かを立ち上げるのに最適なタイミングでした。」とアカヴィは述べ、「ステラ・マッカートニーが革新的な素材に重点を置いているのは非常に魅力的です。」と続けた。ファッション界で最も有名なサスティナブルブランドのデザイナーとして、ステラ・マッカートニーは、合成皮革などの合成素材やリサイクル素材を使用する妥協のないアプローチで知られている。

ステラ・マッカートニーは2001年のブランド設立時からエシカルな哲学を貫き、レザーやファーなどの動物由来の素材の使用を一切排してきた。現在ではファッション業界でこのようなサステナビリティの追求は一般的だが、当時はこれは大胆な試みであった。

ステラ・マッカートニーのコレクションは92%がサステナブルな素材で構成されており、それらはいくつもの新素材が使われている。

「我々のように、使用している持続可能な素材を数値化して公表しているブランドはほかにありません。おそらく他ブランドは計測すらしていないと思います。なぜなら、この数字をはじき出すには膨大な時間がかかりますが、そんなに膨大な時間をかけて計算をしても、ほかのブランドはその数字があまりにも小さいため、公表することができないからです。」とステラ・マッカートニーは説明している。

同ブランドが使用してきた新素材には、プラスチックフリーでリサイクル可能なレザーの代替素材『ミラム ®』、キノコの菌糸体から作られた『マイロ ™』廃棄されるリンゴを使用した代替レザー『アップルスキン ™』などがさまざまなサスティナブル素材がある。

そして、2024年夏に向けた現在のコレクションは、95%にサスティナブルな素材を使用した、メゾン史上最もサステナブルなコレクションだという。

マッカートニーにとって、このコラボレーションは、2001年のブランドを立ち上げ以来、熱心なファッション環境活動家として知られる創設者、ステラ・マッカートニーの革新的なアプローチをさらに強固なものにする。

また、完全にカスタマイズ可能なダイヤモンドジュエリーの製品が確立されているVRAIにとってこのプロジェクトはクチュールの世界への扉を開けるものとなる可能性もあるだろう。

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