時計メーカー、輝きの探求

各時計メーカーは、ダイヤモンドの輝きを最大限に表現するためセッティング技術を改良している。

高級時計にダイヤモンドや宝石をセッティングすることは、常にその時計の価値を大きく高めてきた。これらのダイヤモンドや宝石は、女性用時計に再販価値が理由の一つでもある。これらの見た目は素晴らしいが、落とし穴もある。時計にセッティングされたダイヤモンドは通常、ケースとベゼルの金属に埋め込まれているため、光の反射が不十分になる傾向がある。ダイヤモンドの側面には光がほとんど入らず、パビリオン(下側)には光がまったく入らない。

これにより、ダイヤモンドの輝きが損なわれる可能性がある。しかしここ数年、時計業界は主にプロングセッティングのバリエーションにより、時計にセッティングされたダイヤモンドにより光を当てる方法を見つけてきた。

プロングと爪

ショパールは時計にプロングセッティングを導入した最初の企業の1つだ。このメゾンがジュエリーについての知識を持っていたことを考慮すると、それは驚くべきことではない。この技術は、ルール・デュ・ディアマンコレクションに最も顕著に見られ、ダイヤモンドを金属に埋め込むのではなく、金属の上にプロング状にセッティングしている。このダイヤモンドは、一般的に時計のベゼルを装飾するためのほとんどのダイヤモンドよりも大きいものが使われている。ショパールはこれをクラウン・セッティングと呼んでおり、プロングを短くして金属の量を減らしている。

ピアジェは、セルティ デセンドゥと呼ばれる技法で同様のアプローチをとっている。これは文字通り「切り落とす」という意味で、爪と溝で石を掴む手法だ。一方、ジャガー・ルクルトのランデヴー・ダズリング コレクションでは、ダイヤモンドと宝石がベゼルに沿って2列にプロングスタイルで配置されている。

金属の分割とバネの活用

パテック・フィリップには、フラムと呼ばれる独自のセッティングがある。これはグレインセッティングのバリエーションで、ダイヤモンドを所定の位置にセットするために金属表面から4本の柱を押し上げる。職人は通常どおり時計ベゼル部分の金属にダイヤモンドを列状に配置するが、その後鋭いビュラン(金属加工用彫刻刀)を使用して各ダイヤモンドの間の金属を分割し、下部ファセットの一部を露出させて光を通過させる。フラムはより輝きを放つだけでなく、ビュランによって作られた溝がダイヤモンドの周囲にレースのような彫刻模様を形成し、ダイヤモンドをさらに輝かせるものとなる。

カルティエは、ダイヤモンドを金属表面の上に持ち上げることに、さらに創造的なひねりを加えている。その斬新な技術では、ダイヤモンドを小さなバネに取り付けており、それによって文字盤からダイヤモンドが浮き上がって見えるだけでなく、着用者の動きに応じてダイヤモンドと輝きが振動する。カルティエが1920年代から作り続けてきたアン・トランブランのジュエリーと原理は同じだ。その結果、より多くの光が反射されるだででなく、動きによってさらに輝きが増すことになる。

これらすべての技法は、宝石付き時計を輝きと価値の両方の面で次のレベルに引き上げ、それらを高級コレクションの領域に引き上げるものとなる。

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