デビアスとボツワナは新契約に合意、ボツワナは段階的に原石の50%のシェアを獲得する

デビアスとボツワナ政府の契約更新期限は6月30日だったが、29日の時点で「まだ合意に達していない、双方が締切に向けて24時間体制で協議している」とボツワナの鉱物・エネルギー大臣、レフォコ・モアギはメディアに語っていた。

ボツワナの大統領、モクウィツィ・マシシは以前より何度も「デビアスがボツワナにとって有利な条件を提示しない限り、ボツワナはデビアスとの取引から離れる」との脅しをかけていた。デビアスとの以前の取引を批判し、ボツワナは本質的に騙されていると述べて物議を醸した。また5月の地方の村でのコミュニティ会議では「我々は奴隷になることを拒否しなければならない」と語っていた。また、これは来年の大統領選に向けての得票も視野に入れていたものと思われる。

7月1日、デビアスとボツワナ政府は、2033年までのデブスワナ(デビアスとボツワナの合弁会社)のダイヤモンド原石の10年間の販売契約と、2054年まで有効な25年間のデブスワナ採掘ライセンスの暫定合意に署名したと述べた。これには、数量ベースで世界第2位、金額ベースで世界第1位のダイヤモンド産出国であるボツワナが、今後10年でデブスワナから得られる原石のシェアを段階的に50%に増やす新しいダイヤモンド販売契約が含まれている。

この合意は、6月30日金曜日の真夜中の締め切りのわずか数分前に締結された。デビアスとボツワナ政府は何年もの交渉の後、締切の数分前に合意に達した。しかし取引の詳細はまだ解決中だとボツワナ政府とデビアスは述べている。一方で新しい合意は、ダイヤモンドのシェアについてのボツワナ政府の最も重要で大きな不満に対処されているという。旧合意ではボツワナ政府は生産されたダイヤモンド原石の25%のシェアを受けることになっていたが、新合意ではこれが即時に30%に増加され、そして10年以内に段階的に50%まで増加することになるという。

またデビアスは声明の中で、ボツワナの経済発展支援として今後10年間で8.25億ドルを投資することに合意したと述べた。この合意には、ボツワナにダイヤモンドトレードを地元の人々に訓練するアカデミーの設立も含まれている、と政府関係者は述べた。

ボツワナ政府は、この協定を240万人の人口をもつボツワナの圧倒的な勝利として歓迎し、南部アフリカのこの国が長期的な開発目標を達成できるようにすると述べた。

「これらは変革的な合意であると興奮して述べる必要がある」と、土曜日にデビアスのCEOであるアル・クックの隣で取引に署名した鉱物・エネルギー大臣のレフォコ・モアギは土曜日に述べた。「これらはボツワナの人々の願望を反映している」とモアギは語った。

マシシ大統領と他の政府関係者はデビアスに対し、ボツワナがダイヤモンド原石の25%より多くのシェアを受け取り、デビアスがカットや研磨、ジュエリー製造、小売販売など、ボツワナのダイヤモンド産業の他の分野の拡大を支援するために投資を行うことを要求していた。

ボツワナ政府はデビアスに対しより多くの資金を提供するよう要求し、またアフリカ諸国に対し、自国の天然資源からより多くの利益を得るようにと広範に働きかけていた。アフリカ大陸の国々は、略奪、汚職、誤った管理によって資源の富を失い続けてきた長い歴史がある。

デビアスのクックは、ボツワナ政府当局者らはデビアスに対してダイヤモンド自体を超えてナレッジベースの経済に投資することを要求し、ダイヤモンドのバリューチェーンを発展させて国民を第一に考える必要性を明確にしていたと述べた。クックは調印式で「我々が合意した協定はその全てを実現すると信じている」と述べた。

政府は、ダイヤモンドの配分方法を定める販売契約が2033年まで延長されたと発表し、これとは別に、デビアスの鉱業ライセンスは2054年に延長され、デビアスにボツワナ国内で長期的な未来があるという保証を与えた。

1966年、デビアスがボツワナで初めてダイヤモンドを発見し、そしてボツワナが英国から独立した年、ボツワナは世界で最も貧しい国の1つで、当時は約12kmの舗装道路しかなかった。世界銀行によると、現在ボツワナは強固なインフラと一人当たりのアフリカ大陸で6番目に高い経済生産高を持つ上位中所得国と見られている。デビアスとのパートナーシップは、昨年ボツワナに約28億ドルの収益を生み出した。

しかし、世界銀行はまたボツワナを地球上で最も不平等が存在する国の1つとしてランク付けしており、ボツワナの市民や政府関係者は、長引く社会的問題に対処するために、土壌に埋もれているダイヤモンドからより多くの利益を得る権利があると述べている。

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