ハリー王子の先に:ボツワナのダイヤモンド遺産

デブスワナの幹部は、観光業が同国の採掘後計画の中心になる可能性があると語った。

ハリー王子とキム・カーダシアンの共通点は何か。それは恐らくかなりたくさんあるが、そのうちのひとつは、2人ともボツワナを訪れたことがあるということだ。

ハリー王子がメーガン・マークルとボツワナで休暇を過ごしたことはよく知られており、またキム・カーダシアンはジュワネング・ダイヤモンド鉱山を訪れたことがある。ここはこのセレブが足を踏み入れた場所の中で最も魅力的な場所ではなかったかもしれない。ジュワネング鉱山はほとんどのダイヤモンド鉱山と同様に、地面に掘られた巨大な穴だ。

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消費者の受け入れ

しかし、ダイヤモンド生産額で世界最大の国であるボツワナには、もっと大きなチャンスがあるかもしれない。消費者に、そのダイヤモンドがボツワナ産だと伝え、それがなぜ重要なのかを説明できることは非常に強力なことだ。顧客にダイヤモンド鉱山への旅行を提案し、そこでダイヤモンド原石を選び、数週間後に磨かれたダイヤモンドをセッテングしたリングを受け取れるということは、購入の決め手になるかもしれない。

しかし、これはまだ現実的ではない。ダイヤモンド鉱山は厳重な警備が敷かれており、部外者の立ち入りは制限されている。デビアスとボツワナ政府の50:50合弁会社であるデブスワナは、ケースバイケースで訪問者を受け入れている。

「当社にはリクエストを受け付けるチームがあり、鉱山に来て見学してもらうことができます。」と、今年のJCKラスベガスショーでのインタビューで、同社の安全および持続可能性担当エグゼクティブヘッドであるムフォ・レベッカ・モサテは語った。「消費者は、社会への影響という観点から、これまで行われた取り組みを実感することができるでしょう。」と彼女は述べた。

ハリー王子は、今でもボツワナで最も有名なダイヤモンドバイヤーの一人だ。ハリー王子は、2017年にメーガン・マークルに、2人で休暇を過ごした思い出のボツワナで算出されたダイヤモンドをセンターストーンをあしらったリングでプロポーズした。ハリー王子がどのようにダイヤモンドを調達したかについては公表されていないが、このリングはロンドンを拠点とするクリーブ アンド カンパニーによって製作されている。(デブスワナは、ハリー王子がジュワネング鉱山を訪問したという以前の声明を撤回している。)

採掘後に焦点を当てる

デブスワナのこの分野における戦略は、主に採掘後の復興に関するものだ。資源が枯渇する時期に備える同社の計画の重要な部分は「ダイヤモンド観光」だ。

「鉱山は永遠ではないが、ダイヤモンドの遺産は永遠だと認識している。」とモサテは説明した。「エコツーリズムと採掘観光は、採掘後の活動として際立つ2つの要素だ。」と述べた。

ボツワナは、何十年も経済を支配してきたダイヤモンド採掘以外の分野への進出を模索している。経済の多様化は、政府とデビアスとの2023年6月の供給契約の一部だった。現在のダイヤモンドへの依存は、業界の低迷がボツワナに直接影響することを意味する。

ロイター通信が報じたところによると、ボツワナ銀行の関係者は、今年の経済成長率は4.2%に届かない可能性が高いと述べている。これは、世界的なダイヤモンド需要の低迷を受けてのことだ。

実現されていないポテンシャル

ボツワナの、美しく、よく保護された自然環境は観光産業に適している。これをダイヤモンドと結びつけることは、以前にも提案されていた。

南アフリカ地域の開発とリーダーシップのジャーナルに2013年に発表された、「ボツワナの観光商品多様化のための可能な戦略としてのダイヤモンド採掘」と題された論文は、ダイヤモンド博物館の設立を呼びかけていた。

「採掘観光開発の面で実現されているポテンシャルはほとんどありません。」と、著者のデリー・マハチとリスボン・シメオン・ケツハビルは書いている。「ボツワナは価値ベースで世界最大のダイヤモンド生産国であることを考えると、これは異常です。」と指摘する。

デブスワナは5年後、ダイヤモンド以外にも多くの魅力がある地域にあるオラパ鉱山に博物館をオープンする。鉱山からそれほど遠くないところに、オラパ動物公園と、野鳥観察者に人気の塩田の広がるマカディカディパンズ国立公園がある。さらに北にはオカバンゴ・デルタとモレミ動物保護区がある。

「このアイデアは、鉱山からマカディカディ平原、そして北のサファリにアクセスできる場所まで続く観光ルートを設定することです。」とモサテは語った。

デブスワナの主力事業であるジュワネングとオラパは、特にジュワネングの採掘を地下に移す計画があることを考えると、まだ数十年分の生産分があると考えられる。しかし最終的に枯渇すると、経済と保全の問題が浮上する。新しい収入源がより重要になる。

採掘が停止した後の「基本オプション」は、単に場所を保存し、害を及ぼさないようにすることだとモサテは指摘した。しかし、より興味深い可能性は、鉱山自体を観光アトラクションにすることだ。

「人々が、採掘が行われていた大きな坑道を見に来たり、以前は露天掘りだった場所が修復され、その地域に生息す動物を見に来たりできる動物公園にできる可能性のあるエリアです。」と彼女は主張した。

南ア、キンバリーに続く

ボツワナの鉱山はまだこの段階には達していない。オラパ近郊のダムツァーなど、保守・メンテナンス中の鉱山は、必要に応じて生産を再開できる。観光化された国外の主な例は、南アフリカのキンバリー鉱山(通称ビッグホール)で、観光客は再建された坑道の地下に入ることができる。

別の選択肢は、ジップラインやバンジージャンプなどの活動的なアクティビティにこの場所を使用することだとモサテは指摘した。

「これらすべての選択肢は、その特定の地理的エリアで実行可能な選択肢であることを確認するために検討されなければなりません。」と彼女は述べた。

生産が続く限り、究極のダイヤモンドバケーション(消費者が婚約指輪のダイヤモンド原石を選びに来る)には、デブスワナ、製造業者、小売業者の協力が必要になる。今のところ、それはハリー王子のような特別な人たちだけしか実現できないかもしれない。

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