GIA、ラボグロウンダイヤの鑑定基準を刷新―天然と区別する新用語導入を発表

GIAは、ラボグロウンダイヤモンドの鑑定書(レポート)における表現方法を見直し、天然ダイヤモンドと区別しやすくするため、新たな命名規則を導入すると発表した。

新しい呼称は、ラボグロウンダイヤモンドの品質評価をより正確に伝えることを目的とし、レポートに記載されるダイヤモンドの品質区分を「プレミアム」または「スタンダード」の二つに分ける。これらは、色、クラリティ、フィニッシュの各評価指標の組み合わせによって判定される予定だという。

GIAは公式に、「これまでの天然ダイヤモンドに適用していたカラー・クラリティの呼称は廃止し、今後は記述的な表現を用いる」と説明した。これらの品質評価に満たないダイヤモンドの場合、グレーディングを行わない方針も明示された。この記述の変更は、消費者が天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの違いを理解し、購入について十分な情報に基づいた教育的な意思決定を行うのに役立つとGIAは指摘する。

GIAのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高研究所・研究責任者であるトム・モーゼスは、「他の人工宝石と同様、ラボグロウンダイヤモンドの継続的な受容と人気を予測している」と述べ、また 「市場に参入するラボグロウンダイヤモンドの95%以上が、非常に狭いカラーとクラリティの範囲に収まっている。そのため、天然ダイヤモンドのカラーの連続性およびクラリティーの連続性のために作成された用語を使用して、ラボグロウンダイヤモンドを記述することはもはや適切ではない。」と説明した。

GIAは、ラボグロウンダイヤモンド向けの改訂記述システムが最終決定されるまで、現在のサービスを継続提供すると述べている。改訂された価格設定および提出ガイドラインは、第3四半期末に公開される予定だ。既にGIAが発行したラボグロウンダイヤモンドのレポートは引き続き有効であるとしている。

一般社団法人日本ラボラトリーグロウンダイヤモンド協会(代表理事 伊藤拓也)のデータでは、現在市場のラボグロウンダイヤモンドの95%以上がGカラー以上、VS2以上のグレードだという。

しかし海外と比べて日本の消費者は天然ダイヤモンドでもトップグレードを求める傾向があり、そのためラボグロウンダイヤモンドでもD VVS1などそれらグレードの中でも特に高いグレードが人気の傾向があると同協会は指摘している。また、同協会のデータでは市場のラボグロウンダイヤモンドに採用されている鑑定書はIGIが90%以上のシェアを持っているとされており、ラボグロウンダイヤモンドの鑑定基準に関してはIGIの動向を注視する必要があるだろう。

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