
連邦控訴裁判所は、トランプ大統領が導入した関税の一部を一時的に復活させる決定を下した。これは、アメリカ合衆国国際通商裁判所(CIT)が10日以内に同関税の停止を命じたわずか24時間後の事態だ。
トランプ政権からの緊急要請を受け、連邦控訴裁判所(日本での高等裁判所に相当)は、政府がより長期的な停止を求める要請を検討する間、下級裁判所の命令を保留した。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「行政上の停止は緊急控訴においては一般的である」と指摘し、今回の命令は「訴訟の本質に関する判決ではない」と報じている。
しかし、今回の控訴裁判所の決定は、関税を巡る法的闘争が長期化する可能性を示唆している。トランプ氏は最高裁判所への上訴を誓うとともに、関税賦課のために他の手段を用いる可能性も示唆している。
ジュエラーズ・ビジランス・コミッティ(JVC)の社長兼CEOであるサラ・ユード氏は「国内の宝飾業者は、現行の国際非常時経済権限法(IEEPA)に基づく関税について、引き続き支払い義務を負う必要がある」と述べている。これには、カナダ・メキシコに対する25%のフェンタニル関連関税や、中国に対する20%のフェンタニル関税、そしてほかの国々に対する10%の「相互」関税も含まれる。
ユード氏はさらに、「JVCは、企業が輸入時に支払ったすべての関税に関する詳細かつ正確な記録を保管することを推奨する。最終的に関税が無効と宣言され、還付が利用可能になった場合、申請に必要な書類を用意するためである。JVCは、関税がトランプ政権の戦略の中核をなすものであるため、たとえこの特定のルートが覆されたとしても、政権が関税賦課のための代替的な法的権限を追求し続けると予想している。ジュエリー業界は、この課題に直面し続ける覚悟をしておく必要がある。」と述べている。
国際通商裁判所は先週水曜日、3対0の判決で、トランプ氏が関税賦課に用いた国際緊急経済権限法は、大統領に「世界のほぼすべての国からの商品」に関税を賦課する「無制限の権限」を与えていないと判断した。
リバタリアン団体であるリバティ・ジャスティス・センターは、5つの小規模企業を代表して今回の関税に異議を唱え、X(旧Twitter)上で、控訴裁判所の決定は「単なる手続き上のステップ」に過ぎないと述べた。
同団体は、「控訴裁判所は間もなく政府の申し立てを却下し、これらの関税が顧客に与える回復不能な損害を認識すると確信している。この損害には、重要なサプライヤーと顧客の喪失、確立されたサプライチェーンへの強制的な変更、そして最も深刻なこととして、これらの企業の存続そのものへの直接的な脅威が含まれている。」と主張している。
トランプ氏はTruth Socialで、当初の裁判所の判決について、「これらの関税には議会の承認が必要であると述べている…もしこの判決が確定すれば、大統領の権限は完全に破壊されるだろう。大統領職は二度と同じものではなくなる!」と不満を述べた。さらに、今回の判決は「トランプへの憎悪…他に理由は何もない」との私見も記している。
この問題は、日本のジュエリー業界にも影響を及ぼす可能性があり、法律上の動きに注視しつつ、今後の展望を見極める必要がある。
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