周大福のリブランディングは香港と上海からスタート

香港を拠点とする周大福ジュエリーは2024年の第3四半期、香港の中環皇后大道中路に新しいイメージ店舗をオープンする予定で、この店舗の面積は約267平方メートルだという。

周大福はこの新しいイメージショップの具体的な外観的特徴を明らかにしていないが、その店舗は「革新的なデザインを結合して、顧客に比類のないジュエリーショッピング体験を提供する」ものになると述べている。

また上海にも周大福は新しいイメージ店舗を開設する予定としており、この店舗の敷地面積は750平方メートル近く、5階建てになる。周大福ジュエリーの計画によると、この上海の新しい旗艦店は2025年の初頭にオープンを計画しているが、現在その店のロケーションはまだ公表されていない。

この2つの新しいイメージ店舗がオープンした後、周大福ジュエリーは今後5年間で「傘下のすべての店舗」をリニューアルする。

2024年3月31日時点で周大福ジュエリーグループ傘下には8000近くの店舗があり、この巨大なネットワークは主に中国本土に集中している。過去に周大福はかなり早いペースでの出店戦略を推し進めており、以前は年間1000店舗ペースでのオープンを進めていたが、2023年からはこの戦略を調整し、年間600から800の新店舗のオープンに計画を引き下げている。この新店舗開店ペースの軟化は陣取り合戦の時期が終わったことを意味する。周大福ジュエリーグループ副会長の鄭志雯によると、2024年度は既存の店舗の効率と販売成長の向上に重点を置くという。

新規店舗出店ペースが減少することは周大福ジュエリーが既存店舗の坪効率を高め、ブランドの転換を高めることを意味する。また周大福ジュエリーは引き続き製品開発に力を入れている。以前同社はメディアでのインタビューで、同ブランドが売上に最も貢献するSKUの15%から20%に注力するとともに、純金製品を主としながら高品質な天然ダイヤモンド製品も取り入れ、顧客単価の向上を増加させると言及していた。

例えば同社は2024年に創立95周年を迎えたことをきっかけに新しい「伝福シリーズ」を発売した。このシリーズのジュエリーには非常に独特な特徴がある。このシリーズのジュエリーは、ゴールドとダイヤモンド、そして赤い色を使用しており、「福」の文字が主なシンボルとして使用される。デザインは中国の伝統的な格子窓の建築美学からインスピレーションを得ている。

また一方で周大福ジュエリーはブランドイメージを再構築し、若い消費者を惹きつけようと努力している。鄭志雯は以前メディアに「成長とは店舗を増やすことだけではなく、ブランドを発展させ、次世代と密接に関連させなければならない」と語った。そのため、周大福ジュエリーブランドイメージショップの革新が計画の一部となっている。

それだけではなく、周大福ジュエリーはブランドロゴ「CHOU TAI FOOK」と「周大福」のフォントを調整し、企業サイトとブランド公式サイトでもこの新しいロゴに変更した。以前の丸みを帯びたフォントとは異なり新バージョンのロゴではシャープなラインを使用しており、洗練されたものとなっている。加えてブランドロゴに「since 1929」というメッセージを追加し、周大福ブランドが百年近くの歴史を持つということを強調している。事実、周大福ジュエリーは今回発売した一連のブランドリニューアルは、間も無くオープンする香港と上海の新イメージ店舗や新ブランドロゴを含めて2029年の100周年を準備するためのものだと明言している。

SINCE1929のメッセージを追加した周大福の新しい漢字ロゴ
新しい英語ロゴ
全体的に丸みを帯びたフォントが使用されていた旧ロゴ

2024/25会計年度に入ったばかりの周大福ジュエリーグループが、新年度の業績成長を確実にするために一連の施策を打ち出したことは明らかだ。

2024年3月31日時点で、周大福ジュエリーグループの小売総額は12.4%増加している。その中で、本土の周大福ジュエリーFC店の売上は当四半期中に18.3%増加し、高ベースによる既存店売上高の2.7%減少によるマイナスの影響を相殺し、中国本土全体での売上は前年同期比12.4%増加した。

同時に、香港、マカオおよびその他の市場における周大福ジュエリーの売上は、報告期間中で前年比12.8%増加している。周大福ジュエリーは、報告期間中の業績の二桁成長は主に、ホリデー需要の堅調さ、ゴールドジュエリーの消費好調、および高価値成長の継続的な促進によるものであると述べた。

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