米国ジュエリー市場動向:NDC2025年トレンド総括

2026年2月、公表された最新レポート “Natural Diamond Trends – A 2025 Overview” は、米国の天然ダイヤモンド宝飾品市場において依然として堅調な需要が継続していることが示された。報告は天然ダイヤモンド中心のジュエリー消費動向を、米国の専門宝飾店2,500社・400万件超の取引データから分析した。

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エンゲージメントリング価格が上昇 – 平均7,000ドル超

米国市場における 2025年の婚約指輪平均価格は7,364ドルに達し、前年から9%の上昇を記録した。これは消費者が高品質な天然ダイヤモンドへの支出意欲を保っていることを示す。特に人気のあるカットは ラウンドブリリアント(62%) で、次いでオーバルカットが14%を占めた。平均カラットは約1.16ct、クラリティはSI1が多数を占めている。

この価格動向は、天然ダイヤモンドが依然ブライダル市場での中心的役割を果たしていることを示している。天然ダイヤモンド婚約指輪は全体の販売数量の約38%を占め、宝飾品市場における主要カテゴリとして機能している。

サイズ・形状のトレンド変化 – より大粒・ファンシーシェイプへ

報告は、2.00〜2.24カラット級の天然ダイヤモンド製品の成長が加速し、2025年は前年をさらに上回る伸びを示したと指摘する。このカラット帯は2年前比で約30%の伸びを達成し、市場における存在感を高めている。また、1.50〜1.59カラットのセグメントも引き続き高成長を示し、前年対比で約15%の増加を遂げた。

この傾向の背景には、消費者の個性志向やファッション性の高まりがある。従来の典型的なラウンドソリテール中心から、マーキーズやその他ロングファンシー形状の人気が上昇しており、デザイン多様化が進行している。

付加価値商品の需要 – ブレスレット、ネックレス、ペンダントの伸長

調査では、エンゲージメントリング以外でも、天然ダイヤモンドを用いた商品群の販売が総じて拡大しているという。特にテニスブレスレットは平均価格3,600ドルと15%の上昇を示し、ジュエリー全体で最も高い伸び率を記録した。また、ネックレス、イヤリング、ペンダントも二桁台の価格上昇となっており、装飾品カテゴリ全般で高付加価値化の動きが鮮明となっている。

消費者構造の変化 – 若年層の影響力拡大

2025年の消費傾向分析では、 Z世代(1997〜2012年生まれ)とミレニアル世代が天然ダイヤモンド購入者の主軸 になっているとの興味深い分析が紹介されている。これら若年層は単なる「婚約市場」だけでなく、自己購入・ギフト需要も活発化させている。

この背景には、SNSや有名人の露出効果が挙げられる。特に米国では有名セレブリティの婚約指輪がトレンド指標として機能し、消費者の購買判断に影響を与えているという。こうした文化的要素は、単なる価格・品質合理性の次元を超えた「物語性」が消費行動に作用していると評価される。

足元の市場認識 – 天然ダイヤモンドの存在感

報告総括では、金利・インフレ圧力という逆風下でも 天然ダイヤモンド需要は堅調を維持 していると指摘される。これは天然石がギフトや象徴的な価値を持つ商品として依然として高い評価を受けているためだ。加えて、業界内部でも長年培われたブランド価値や物語性訴求が消費者の共感を喚起しているとの分析も示されている。

米国における2025年の天然ダイヤモンド宝飾品市場は、価格上昇、サイズ・デザインの多様化、若年層需要の拡大、付加価値商品の好調 という複数のポジティブな側面を示した。特に婚約指輪セグメントでは、ブランド・個性・ストーリー性を重視する消費行動が顕著になっている。

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