国際ダイヤモンド業界市場最新動向 22.06.11[RAPAPORT]

ラスベガスJCKショーが開幕し、2022年下半期の世界市場に良い影響がもたらされることが期待されている。アメリカの需要は依然として安定しており、中国市場は改善傾向にある。

ロシアと非ロシアの商品供給が分断されるにつれて、供給の不足の発生が懸念されている。中流のダイヤモンドカッターは、ロシア産原石をカットして市場に提供するためにアルロサの原石を仕入れる方法を見つけようとしている。

DeBeers(デビアス)は、セカンダリーマーケットでの強い需要、商品の不足、高額な保険料という状況の中、小さなサイズの原石価格を引き上げている。米国、シグネットジュエラーズの第1四半期の売上高は+9%増で18億ドルとなった。オークションハウスのChristie’s NY(クリスティーズ・ニューヨーク)は4,890万ドルの売り上げを達成した。103.49 cts、D、Flawlessの”Light of Africa”は2,020ドルで販売された。

GIAは2025年までに全ての鑑定書をデジタル化すると発表、また7月31日にアントワープ支店を閉鎖する予定と発表した。

ラパポートは6月12日(日)に恒例となるRpapaport Breakfastを開催する。

ファンシーシェイプダイヤモンド

市場は安定傾向にあり、供給不足が価格を支持している。1.20〜3.99ct、F-J、VS-SIが最も需要が高い。オーバルを筆頭に、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。ファンシーシェイプダイヤモンドを使用したエンゲージメントリングへの関心が高まっている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

ラスベガスJCKショーに全ての注目が集まっている。不安定な経済、高インフレ、株式市場の変動によりマーケットの感情は様々。 0.70〜1.50ct、G-J、SI-I1ダイヤモンドの需要は安定性がある。業者は、在庫を補充するために適正な価格で仕入れることに苦労している。宝石小売店は、2022年の結婚式ブームに堅実なエンゲージメントリングの需要を期待。

ベルギー

地元市場は静か。多くの業者は自社の目玉商品をラスベガスJCKショーに持って行っている。1〜2ct、G-H、VS-SIが好調なカテゴリー。第3四半期に予想される商品不足を前に、サプライヤーは価格を堅持している。宝石小売店は在庫仕入れを控えているため、ディーラーは一括大量購入ではなく、特定の商品のみ注文して購入している。DeBeersサイトは原石の希少性により好調。セカンダリー市場では原石のプレミアムが安定継続している。

イスラエル

市場発展は遅い。多くの卸売業者はJCKショーへ行っている。アメリカの需要に商品を当てた取引がメインとなっている。1ct、G-H、VS-SI、RapSpec A3+カテゴリーのダイヤモンドに堅調な需要があり。在庫レベルは安定しており、1年前よりも高くなっている。カット工場は非ロシアの原石を購入しており、市場は堅調。

インド

ビジネスは安定傾向。対中国市場ではある程度改善が見られているが、全体的には対米国にフォーカスしている。多くの業者はラスベガスJCKショーで需要と価格がの傾向を見出そうとしている。メレサイズのセグメントは強力で、堅調な価格が見られる。ファンシーシェイプはオーバル、ペアシェイプ、マーキズなど2ctまでのサイズで好調。原石取引は堅調。

中国香港

市場の見通しは依然として保守的だが、卸売および小売活動は前向きな雰囲気。 1ct、D-I、VS2-SI2、3EXアイテムの需要が高い。1ct、D-K、VVS-SI1カテゴリのペアシェイプ、エメラルド、オーバルの需要も順調。小売店はロックダウン解除後の夏の結婚式シーズンを期待して、ブライダル需要にフォーカスしている。中国は改善しているが、依然として消費マーケットには不確実性があり慎重。

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