- 米国は夏季休暇シーズンに入り、時期的要因でポリッシュダイヤモンドの取引は少ない。経済の見通し不安から市場は慎重な傾向。
- ロシア産ダイヤモンド原石が規制されているにもかかわらず、バイヤーは取引条件を設定、ポリッシュダイヤモンド在庫が増加しており、ムードは変化している。
- 1ctは6月のラパポート価格指数で-1.8%となった。
- 原石の供給不足は下半期の価格を下支えすると予測されている。
- 来週のデビアスのサイトでは強気な価格が予測される。
- キンバリープロセスは、2021年の世界のダイヤモンド原石生産量が価格ベースで+51%の139.8億ドル、数量ベースで+12%の1.2億cts、平均価格が+35%で117ドル/ctと報告。
- ペトラダイヤモンドの価格指数は6月の入札で+8%、9300万ドルとなった。
- インドは、ポリッシュダイヤモンドとサービスの税を1.5%に引き上げ。
- カナダのジュエリー企業、バークス(Birks)の年間売上高は+27%の1.41億ドル、利益は100万ドル、損失は450万ドルとなった。
- G7諸国は、ロシアからの金の輸入禁措置を発表。
ファンシーカット
市場は安定傾向にあり、カットの良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。1.20〜3.99ct、F-J、VS-SIが最も需要が高い。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。ファンシーシェイプダイヤモンドを使用したエンゲージメントリングへの関心が高まっている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。
アメリカ
7月4日(独立記念日)にかけて多くの業者が2週間の休暇を取るため、ニューヨークの取引は低くなっている。1〜3cts、D-H、VS-SIには安定した需要がある。パンデミック後の結婚式ブームにより、ブライダルジュエリーは夏のマーケットを支えている。経済的な逆風の状況にもかかわらず、宝石商は下半期に対して楽観的な姿勢。
ベルギー
市場は安定傾向にある。対米国は安定した需要となっているが、中国が依然としてロックダウンの影響を引きずっているためアジア市場については不確実がある。ロシア危機がダイヤモンド原石の供給に影響を与えることへの懸念が高まっている。地元の銀行がダイヤモンド関連企業の口座をブロックしていることは継続的な不満へ繋がっている。トランスペアレンシー・インターナショナルは、EUに対してロシアとのダイヤモンド取引を停止するよう求めている。
イスラエル
ラスベガスショーでの活発な取引以降、取引が鈍化しており、ムードが弱くなっている。バイヤーは価格に対しての要求を強めている。エメラルドやクッションに比べ、ペアシェイプやオーバルのファンシーシェイプのパフォーマンスが良い。イスラエルの6月のポリッシュダイヤモンド輸出は+10%となった。ロシア産原石の供給減少により、ダイヤモンド原石輸入量は-14%になった。
インド
原石の不足とポリッシュダイヤモンドの需要の中で取引は慎重になっている。メレサイズダイヤモンド市場は安定している。夏の期間中は米国からの注文は減少傾向にある。インドルピーが弱くなっており、79インドルピー/1ドルに下落、輸入業者の調達コストが増加し、利益率が低下している。企業は税金から多くの金額を差し引くことができるようになるため、GST(物品サービス税)の0.25%から1.5%への引き上げを歓迎している。原石供給量が少なく、また市場の不確実性があるため、製造業者の稼働は生産能力を下回っている。
中国・香港
時期的要因でマーケットは減速傾向、またコロナの混乱から市場はまだ完全に回復していない。消費者はダイヤモンドよりも金を好む傾向にある。経済は再開しており、政府はバウチャーを消費者に配布しているため、5月の香港での宝石、時計、貴重品の小売売上高は+7%になった。中国本土のビジネスはまだ活動が低い。
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