
イスラエルとイラン間の緊張が軍事衝突へと発展する中、イスラエル・ダイヤモンド取引所(IDE)は取引フロアを閉鎖し、「緊急体制」での運営に移行した。これは、先週後半に勃発した紛争を受け、宝石の安全確保と関係者の安全を最優先とした措置である。物理的な取引は停止されたものの、IDEはオンライン取引プラットフォームを通じて取引を継続することを強調している。
IDEはヘブライ語で発表した声明の中で、取引所内の業務は必要最低限のものに限定されると述べている。取引所の管理事務所、郵便局、輸出入室、ダイヤモンド管理事務所、メンテナンス事務所、レストラン、カフェ、銀行支店などは当面の間閉鎖される。しかし、IDEは会員に対し、オンライン取引プラットフォームを活用し、安全な場所から取引を続けるよう促している。 取引活動の継続性を維持することで、市場への影響を最小限に抑える狙いがある。

テルアビブ近郊のラマトガン市にある取引所複合施設への入場は、シムションビルからのみ可能となる。他の入り口は閉鎖され、マカビー駐車場とヤハロム駐車場、取引所アクセス用のタグ発行室も同様に閉鎖される。シムションビル内の安全保管庫は、午後2時まで、物品の預け入れのみを目的として運営される。IDEは、「最適な保護のため、企業と会員はシムションビルの安全な保管庫に商品を移すことを推奨する」と呼びかけている。これは、物理的な資産の安全確保を最優先とした措置と言える。
さらにIDEは、ほとんどの保険は戦争やテロ攻撃による損害を補償していないことを会員に注意喚起し、保険証券の内容を確認し、固定資産税法に基づく補償申請の可能性を検討するよう助言している。これは、紛争下におけるビジネスリスク管理の重要性を改めて示している。
今回の紛争激化は、ダイヤモンド取引に大きな影響を与えている。ダイヤモンド取引の中心地のひとつであるIDEの物理的な取引停止は、市場の不安定性を高める可能性がある。しかし、オンライン取引の継続は、この困難な状況下におけるビジネス継続性の確保に向けた重要な一歩であると言える。 IDEは状況を注視し、必要に応じてガイドラインを更新していくとしている。今後の動向、特にオンライン取引の活況と、ダイヤモンド市場への影響に注目が集まる。
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