テクノロジーがもたらすダイヤモンドの信頼性と透明性 – Sarine社アジア統括Noy Elram

テクノロジーの最先端企業であるSarine社に、今後に大切なテクノロジーによるダイヤモンドの未来について詳しく話を聞いた。

Noy Elram – Sarine Technologies APAC Managing Director
Q: 日本のダイヤモンド市場をどのように見ていますか?

私はコロナによる2年半の旅行制限を経て、 2022年6月の最終週に日本を訪れました。 日本のブライダルジュエリー小売現場が進化している様子を見て嬉しく思います。そこにはテクノロ ジーに精通し、革新的な購買体験を顧客に提供したいと考えている新世代の小売業者がいました。彼らは、現代の消費者が単なる商品以上のものを手に入れたいと望んでいることを理解しています。これは素晴らしいことです。消費者はダイヤモンドを購入するとき、商品についてもっと多くのことを知りたいと思っています。そして、それは感性的なものと知識的なものとの組み合わせです。

小売店の役割は消費者をコンサルティングすることで、透明性を通じて正しい選択をするための知識を提供し、それによって信頼を生み出します。サリネ社の先進的なダイヤモンド グレーディングレポートは、小売店にとって最適なツールとなり、銀座ダイヤモンドシライシ、QVC、ガーデン、ブシュロン、JKプラネット、ビジュピコなど数々の企業で採用が始まっています。(企業名順不同)

Q. サリネ社の特異性と優位性は何ですか?

我々サリネ社はテクノロジー企業であるため、提供する情報に関して第三者的な立場であり、常に中立的だということです。我々はダイヤモンドの流通全体でサービスを提供しており、ダイヤモンドそのものを販売するのではなく、サービスを提供しています。我々のブランドを推し進めるのではなく、私たちのサービスを利用して小売店に自社のブランドの価値を高めてもらいたいと考えています。 差別化によって小売店は価格戦争から外れ、顧客により多くの価値をもたらすことができると信じています。

当社のサービスは課題を解決するためにデザインされており、これはそのサービスに価値があるかどうかを判断する方法になります。同じように、小売店が価値を提供することができれば、消費者はその小売店の商品を喜んで購入するでしょう。
大事なことは価格ではなく、価値なのです。

Q. サリネ社はダイヤモンド・トレーサビリティレポートをリリースしました。このレポートについて詳しく教えてください。

トレーサビリティに関してサリネ社は、テクノロジーが完全な情報の開示と、ダイヤモンド原石からポリッシュダイヤモンドへの加工に対する信頼を提供するための方法であると信じています。

サリネ ダイヤモンドジャーニー™ トレーサビリティは、確実に検証可能なプロセスで生成されたデータに基づく、世界初のエンドツーエンドソリューションであり、天然ダイヤモンド業界の信頼、サステナビリティ、顧客体験の新しい基準を確立します。

これにより、小売店は消費者へ倫理的な責任を果たし「サプライチェーン全体を確認しています」と自信を持って言うことができます。それは透明性を作り出すことであり、ダイヤモンドにストーリーを与える役割を果たします。そして、小売店はそのダイヤモンドの心と魂を知ることができます。

サリネ ダイヤモンドジャーニー™ トレーサビリティレポートは、単なる原産地情報以上のものを提供します。それぞれのダイヤモンドは、製造プロセスにおいて複数のチェックポイントでトレースされ、各プロセスを通過するのが間違いなく同じダイヤモンドであることを確認します。データは、工場に設置されたスキャンマシンから安全なクラウドに直接アップロードされ、データが生成および検証されるための安全な環境を作成します。

原産地情報は、製造業者からの申告ではなく、製造業者の施設でのダイヤモンドの実際のスキャンデータに基づいています。

デビアスのダイヤモンドインサイトレポート2021でも述べられているように、ダイヤモンドのトレーサビリティは現在では必須になりつつあります。そしてそれは消費者からの需要によって推進されています。小売店は、消費者に提供する情報の一部として、できれば信頼性の高い第三者からの証明書とともにダイヤモンドの原産地情報を明示すことが期待されています。

小売店への新たなサービスとしてサリネ社は、つい1ヶ月前にサリネ ダイヤモンドジャーニー™ 360エクスペリエンスを開始しました。このツールを使用すると、消費者はこれまでにないインタラクティブな方法でダイヤモンドを手に取り、ダイヤモンドに近づき、自分のダイヤモンドと感じることができるようになります。指でスワイプするだけで、原石からポリッシュダイヤモンドまで、それぞれの段階のダイヤモンドの詳細な3Dモデルを操作できます。輝きを楽しんだり、インクルージョンを観察したり、自由に回転させて鑑賞する事ができます。インタラクティブな3Dモデルでダイヤモンドを鑑賞できるのです。360エクスペリエンスは、 サリネデジタルレポートのエデュケーションパートとしてまもなく統合される予定です。https://sarine.com/diamond-journey360/で、ぜひ体験してみてください。

Q. Sarine 4C AIとeGradin™について説明していただけますか?

4C AIはダイヤモンドの4Cグレーディングを指します。今まで4Cグレーディングは人間の目による観察で行われており、それは環境、疲労、文化などの外的要因の影響を受けるため、間違いを犯しがちです。さらに、鑑定士のトレーニングには長い時間がかかり、鑑定機関のキャパシティは鑑定士の数に依存するため、鑑定機関のキャパシティを増やすことは非常に困難です。コロナ禍の2020年から2021年にはこの問題が顕在化し、ソーシャルディスタンスの制限が鑑定機関内での作業人数に影響を及ぼしました。

一方マシンは一貫性があり、正確で、24時間年中無休で動作します。作業の品質を損なうことなく、マシンの数を増やすことで、業務を簡単にスケールアップできます。

eGrading™は、グレーディングの方法自体を指します。通常、メーカーは研磨したダイヤモンドを鑑定機関に送ります。これには、送料や保険料などの直接費用が発生します。さらに、間接的なコストも発生します。つまり、ダイヤモンドが鑑定機関で検品されている間(6週間かかる場合もあります)、メーカーはダイヤモンドを販売できず、原石購入の金額の利息を払い続けることになります。
メーカーが最先端技術を使用して工場内部でダイヤモンドをグレーディングし、AIベースのデータを顧客に即座に提供できるとしたらどうなるでしょうか。

サリネ社は、ダイヤモンド業界に再び革命をもたらし、効果的なバリューチェーンを構築し、コストを節約し、メーカーと小売店の利益を高める事ができます。

eGrading™は、インドの大手ダイヤモンドメーカーで既に高度なテストが実施されており、数か月以内には商業ベースで利用開始される予定です。データに一貫性があるため、小売店は検品落ちを減らしながら、必要なときに必要なダイヤモンドを入手できるようになります。

それはレンタルビデオがネットフリックスなどの動画配信サービスに置き換えられたことに例えられます。ネットフリックスは、ユーザーの過去の視聴履歴に基づいて関心があると予想される映画を提案し、またユーザーは快適な自宅にいながら、その映画を見る前に予告編を見て見るかどうかを決めることができます。これは、わざわざ店に足を運んで、面白いかどうかわからない映画を選ばなければならなかったレンタルビデオの時代とはまったく対照的です。現在の一般的なダイヤモンドのグレーディングは、まだレンタルビデオの時代のようなものです。卸売業者や小売店はダイヤモンドを鑑定機関に送り、鑑定機関がグレーディングを終了するのを待つ必要があります。鑑定機関が最初の決定権を持っており、卸売業者や小売店は、多くの場合彼らにとって不十分な可能性のあるグレーディングで石を返却されます。ほとんどの鑑定機関の鑑定書は一般的な内容が記載されており、一方小売店はダイヤモンドの蛍光性やさまざまな種類のインクルージョンなどダイヤモンドの他の特徴をアピールしたいと思うかもしれません。しかし、鑑定機関がそのようなダイヤモンドの詳細な情報を提供するのは困難で、また費用がかかります。

Q. サリネ社の次のステップは何ですか?

トレーサビリティの最新の追加機能の1つは、新しいAutoScan™システムです。これは、大量のダイヤモンド原石のデータを取得するための革新的な完全ロボット化システムです。ダイヤモンドトレーサビリティの規模拡大を実現するための最適なソリューションを提供する事が可能です。

AutoScan™システムは、完全なトレーサビリティソリューションの重要な追加ステップであり、包括的で検証可能なデータベースソリューションを提供するだけでなく、最小限の生産管理、コスト、およびスピードで規模拡大の方法を提供します。また我々は、鉱山から小売店までのトレーサビリティを提供するだけでなく、原石の生産者と業者がAIを導入できるようにします。これは、ダイヤモンド原石が通過する内部プロセスの多くの段階でダイヤモンドが失われたり入れ替わったりしないことを保証するメカニズムです。ダイヤモンド生産者の施設は多くの場合遠隔地にありますが、これにより在庫をより適切に管理し、プログラムを最大限に活用することが可能になります。

問い合わせ
Sarine日本代表 : Edi Liss(Edi.Liss@sarine.com)
日本代理店 : (株)AP(https://www.ap-diamond.net)

Sarine Technologiesについて

イスラエルに本社を持つ、世界最大のダイヤモンドテクノロジー企業。ダイヤモンドの原石から研磨、鑑定に至るまでのデジタルソリューションを提供し、世界で流通するほぼ全てのダイヤモンドはSarine社の技術を利用していると言われている。最新の技術を使用した原産地証明、AI(人工知能)によるダイヤモンドグレーディングなど、世界のダイヤモンド業界に革命をもたらし続けている。
Website : https://sarine.jp

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