国際ダイヤモンド業界市場 週間レポート 22.08.07[RAPAPORT]

  • ダイヤモンド市場は動きが静かな状況。
  • 取引の減速と下半期の見通しに対しての深い不安が広がっている。
  • アメリカの小売市場は安定しているが、小売商は大量の在庫仕入れには懸念を示している。
  • 中国市場は地政学的な緊張と経済の不確実性の中で低迷気味。
  • インド、ムンバイのIIJSショーは、地元ジュエリー市場、為替の変動、原石供給に焦点を当てながら開催。
  • ロシア、アルロサの孤立が強まる中、非ロシア産ダイヤモンド原石の供給への拍車がかかり、原石トレードは安定している。
  • ダイヤモンド鉱山やサービスプロバイダーはダイヤモンド産地検証プログラムを加速させている。
  • ルカパの第2四半期の収益は-36%の2,200万ドル、ルロ鉱山で170cts、タイプ2aピンクダイヤモンドを発見している。
  • アジアンスターの第1四半期の売上高は+45%の1.59億ドル、利益は+4%の270万ドルとなった。
  • GIAはドバイ初となるラボの開設を発表。
  • AGTAはジョン・フォードをCEOに任命した。
ファンシーカット

0.30ctから1.20ctのファンシーカット市場は冷え込んでいる。カットの良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。1.20〜3.99ct、F-J、VS-SIが最も需要が高い。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。ファンシーシェイプダイヤモンドを使用したエンゲージメントリングへの関心が高まっている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

先月の時期的要因による減速から回復し、市場の活動は改善している。インフレは小売市場を二分している。富裕層はまだラグジュアリー商品に対する支出に費やしているが、中流階級のアメリカ人は生活用品への支出を優先している。ジュエリー業界はホリデーシーズンの在庫を準備し始めており、ハイエンドのジュエラーからは安定した需要がある。3ctsappu,F-H、VS-SIカテゴリーの動きは堅調。比較的低所得者向けの1-2cts、G-I、SI1-I1の需要は弱い。

ベルギー

ダイヤモンド取引所は夏季休暇によって閉鎖されている。取引業者は、米国市場と中国市場の流動性とダイヤモンド原石の高騰のため、下半期についての不確実性を見ている。GIAのアントワープラボは需要が低いため閉鎖される。

イスラエル

下記の休暇期間中のため取引は静かで、国際的な注文は減少している。海外の顧客が在庫の必要性を減らしており、地元業者は購入に消極的になっている。イスラエルのポリッシュダイヤモンドの輸出はは、7月に前年比7%減の2.966億ドルとなった。ダイヤモンド原石の輸出は10%減の1.279億ドルとなっている。

インド

米国市場の不確実性と中国市場の弱さが続く中、需要が減少している。鑑定書付ダイヤモンドの価格は、通常のラウンドとファンシーの価格に近づいている。パーセル商品も同様に低迷している。ダイヤモンド原石価格の高騰が製造業者のマージンを圧迫し続けているため、ポリッシュダイヤモンドの生産レベルはまだ低いままだ。多くの業者は、インド国際ジュエリーショー(IIJS)によって取引が活性化することを期待している。

中国・香港

夏季の需要落ち込みと国境を越えた旅行の制限によって市場の活動は低迷している。最近開催された香港国際ジュエリーショーでの取引も低いレベルで、海外企業の参加は非常に少なかった。政府は景気刺激策としてバウチャーを発行しているが、ラグジュアリーセクターへの影響は限定的。6月の宝飾品、時計、ラグジュアリー商品の小売売上高は、前年比2.3%増の33.9億香港ドル(4.312億ドル)となったが、市場は前月に比べて勢いを失っている。実店舗による対面接客が減少するにつれて、企業はオンラインへ移行している。

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