1ピースのピンクダイヤモンドを2000分割して$200で販売 – フィンテックスタートアップLUXUS

オーストラリア、アーガイル産の希少なピンクダイヤモンドがたった$200で所有できる、だが現物を手にする事はできない。この(一般的な宝飾業界から見ると奇妙な)ビジネスモデルはどのような仕組みになっているのか。

市場の低迷に備え、多くの投資家は投資対象を株式や債券から、美術品や収集品のような代替資産にする動きが広まっており、その対象は美術品以外にもワインやクラシックカーなど多様だ。そして様々なフィンテック企業がサービスを提供することにより、投資家はそれら代替資産に投資することが容易になってきている。

高級宝飾市場はテクノロジー系の企業の参入が難しい分野の一つでもあったが、金融と高級ファッションのバックグラウンドを持つ2人の女性によって共同設立されたLuxusという新しいフィンテックスタートアップ企業がこの分野でのサービスをスタートする。Luxusは既に250万ドルのシード投資を受けており、投資家にはファッションデザイナーのヴェロニカ・ベアードなどの名前がある。

創業者の一人であるオースランダーは、貴重な宝石は美術品やクラシックカーのように代替不可能で分割することが難しいので、(フィンテックによって)投資家に分割所有権を提供することが効果的だと考えた。

オースランダーは、ハイエンドファッションブランドの経験を持つ友人であるグレッチェンと2021年の夏にLuxusを立ち上げた。プラットフォームはSEC(米国証券取引委員会)の承認待ちで、今月後半に投資家に最初の投資提案する予定。その最初の対象が、2016年にオーストラリアのアーガイル鉱山で採掘されたピンクダイヤモンドだ。

Luxusはニューヨークの宝石商フレッド・レイトンと提携し、西オーストラリア州のアーガイル鉱山から採掘された0.54カラットのダイヤモンドを購入した。アーガイル鉱山は2020年に閉鎖されており、閉鎖前は世界のピンクダイヤモンドの90%以上を供給していた。

Luxusが購入したダイヤモンドは0.54カラットのFancy Vivid Purplish Pink VS2 オーバルカットで、評価額を400,000ドル、それを2000分割して1株あたり200ドルで販売するとしている。

Luxuxは、カラーダイヤモンド、特にピンクダイヤモンドは希少性が高く、世界中で採掘されるダイヤモンドの0.001%だと述べた。また、その希少性のためにピンクダイヤモンドは市場との相関性が低く、より広範なボラティリティ(価格変動)と安定したリターンを提供してきたと説明。「ピンクダイヤモンドは、2005年から2020年にかけて年間11.5%上昇しており、S&P500(米国株価指数)の年間利益を上回っている。」と述べている。

Luxusは最低1年間ダイヤモンドを保有し、募集終了後18ヶ月から3年で資産を売却する予定としている。投資家は管理手数料として年間0.75%を支払う必要があり、ダイヤモンドが売却された際には年率8%を超えた利益に対して20%の成功報酬を支払うことになる。

投資家は、特に価格の不透明性が高いピンクダイヤモンドに関してどのように市場価格を知ることができるのか、その透明性の提供がこの新しいサービスの成否にかかっているかもしれない。いずれにしてもその結果は1年から3年を経たないとわからないだろう。

LuxusのWebサイトでは、このピンクダイヤモンド以外にも11.74カラットのイエローダイヤモンド、9.03ct D フローレスなどが確認できる。

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