英国の新首相、リシ・スナクはコ・イ・ヌールの問題に直面する

LONDON, UNITED KINGDOM - November 10 2020: Chancellor of the Exchequer Rishi Sunak leaves Downing Street to attend the cabinet meeting.

2022年10月25日、英国は新首相にリシ・スナクを任命した。リシ・スナクは1980年5月生まれの42歳で、インド系英国人として初めて同国のリーダーになった。

このスナクの首相就任は、英国王室が所有するコ・イ・ヌールをインドに返還するようにとの声に拍車をかけている。インド出身のスナクが英国の指導者になり、返還問題に前向きに介入するのではないかと期待されているためだ。

この、故エリザベス2世の王冠にセットされた、タイプⅡa、Dカラー、105.602ctsのコ・イ・ヌールは、第二次シーク戦争によって1849年にパンジャーブがインド帝国の支配下に入った歳に、マハラジャによって、インド帝国を統治する女帝であったエリザベス女王に「降伏の証」として献上された。インドは1947年に英国から独立して以来、このダイヤモンドの返還を要求している。また、インドだけでなく、パキスタン、イラン、アフガニスタンなど多くの国がこの石の所有権を主張している。

エリザベス2世女王の死去と、来年5月に控えた戴冠式でカミラ王妃がそれを着用するという予測は、この長期にわたるコ・イ・ヌール論争を再燃させている。

現在、何千人ものインド人がその返還を要求しており、ツイッターではハッシュタグ「Kohinoo」が多く投稿されている。

受賞歴のあるインド人ジャーナリストのバーカ・ダットは、「コ・イ・ヌールを変換すれば、全てではないかしれないが、(過去の)一部が許されるだろう。まさに歴史的な瞬間だ。」とツイートした。

自らを「誇り高きヒンズー教徒」と称するスナクは、英国、ハンプシャーのサウサンプトンでケニア生まれの総合診療医の父と、タンザニア生まれの薬剤師の母の長男として生まれた。スナクの祖父はインドのパンジャーブ出身で、1960年代に東アフリカからイギリスへ家族とともに移住している。

スナクの妻、アクシャタ・ムルティはインドの大富豪のナラヤナ・ムルティ氏の娘で、同氏はIT大手インフォシスの共同創業者であり、「インドのビル・ゲイツ」の異名で知られる。

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