ベルギー、アントワープに本部を置くダイヤモンド鑑定機関、HRD Antwerp(HRDアントワープ)は、同社が日常的にダイヤモンドを「アップグレード」していたという申立てを受け、トルコの元パートナー企業を訴えた。
HRD Antwerpは2021年に長年に渡る協力関係を終了させたトルコの元パートナー、Enstitü Istanbul Bilim Akademisi Yönetim Danışmanlığıと現在係争中だ。
先々週、ベルギーのマスコミが「HRD Antwerpが2020年にダイヤモンドに他の鑑定期間よりも高いグレードを与える戦略を導入した」という主張を報じたとき、このトルコ企業との紛争が激化した。先週水曜日、HRD Antwerpは、「ビジネスの評判を毀損した」として、トルコの元パートナーに対して法的措置を講じたと述べた。
ベルギーでの訴訟
ベルギーの新聞社、De Tijdの3月9日の報道によると、この食い違いは、2021年後半にトルコの元パートナー企業がアントワープの裁判所でHRD Antwerpに対して提起した民事訴訟に関係している。調査官はHRD Antwerpのグレーディング方法について何か疑わしい点があったかどうかを調査している、と報道は付け加えている。
De Tijdによると、国際ダイヤモンド評議会(IDC – 世界ダイヤモンド取引所連盟”WFDB” が世界中のダイヤモンドグレーディングを統一するために1970 年代に設立した組織)はHRD Antwerpを6年近く前に除外しているという。HRD Antwerpの当時のCEOであるミシェル・ヤンセンへの手紙の中で、IDCの代表であるハリー・レヴィはHRD AntwerpがIDCの規則に従ってグレーディングをしていることは「もはや事実ではない」と書いていたと同紙は報じた。
同紙が引用したリークされた内部文書によると、それまでHRD Antwerpの財務状況は悪化していた。 2020年に漏洩した文書ではオランダ語で「現在の状況では、HRDは廃業になる。」と書かれていたと同紙は報じた。
それにより新しい戦略では、HRD Antwerpは、GIAの鑑定結果を既に持っているダイヤモンドに対して1グレードまたは2グレードのカラーの「アップグレード」または1グレードのクラリティの「アップグレード」を許可すると決定したと同紙は述べる。真正の間違いがない限り、同社はダイヤモンドのグレードを下げることはなかった、と同紙の報道は続けた。一方、IGIの鑑定結果を既に持っているダイヤモンドに対してはアップグレードが許可されていなかったという。同紙は、当時HRD Antwerp イスタンブールのディレクターであった マイク・デイビーが、このポリシーを「市場詐欺」として非難した社内のオンライン会議を引用した。
レポートによると、この同じ会議で、HRD Antwerp イスタンブールのオーナーであるメフメット・カン・オズデミールは「ダイヤモンドのグレーディングには常にある程度の主観性を伴う。グレードが本当にタイトであれば、採点は高くなるか低くなる可能性がある。しかしそれは決して1方向ではありません。私たちのシナリオでは、すぐに2つジャンプします。」と述べているという。
HRD Antwerpはこの申し立てを受け、グレーディングの監査を実施し、不正は見つからなかった、と同社CEOであるエレン の エレン・ジョンシェールは先週水曜日にRapaport Newsに語った。
「事実、私たちのカラー採点についてはGIAよりも寛容ですが、カットと蛍光性のグレードについてはより厳格で、これは市場でよく知られていることです。」と同氏は述べている。
商標の不一致
先週水曜日に、HRD Antwerは、HRD Antwerp イスタンブールのオーダーであったオズデミールが「怪しげな取引を行い」、HRD Antwerpの権威と評判を不当に利用したと主張した。
「彼らとのパートナーシップの終了の主な理由の1つは、会社の経営を行っているパートナーが、HRD イスタンブールの名前で不当に登録された商標「HRD」を以前の約束にもかかわらずHRD AnTwerpに譲渡しなかったことだ。」とHRD Antwerpの弁護士である トゥンカイ・チャルテキンは先週水曜日の声明で述べた。
このパートナーはまた、家族が所有する他の会社を通じて「HRD」の商標に抵当権を設定し、HRDの資産をそれらの会社に譲渡した、とチャルテキンは主張した。 「言い換えれば、彼らは合意に反する不正行為を犯した」と彼は主張している。
一方、HRD AntwerpのCEOジョンシェールは、先週水曜日に発行されたベルギーの新聞 Het Laatste Nieuws(HLN)のインタビューを受け、トルコの元パートナーで「税金と金融の詐欺」があったと主張した。
HRD Antwerp イスタンブールのオーナーであったオズデミールは、この主張を「哀れで、不誠実で、必死だ」と一蹴しているという。
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