国際ダイヤモンド業界市場 週間レポート 23.03.25[RAPAPORT]

米国経済への警戒が高まる中、ダイヤモンド取引は静か。
米国連邦準備制度理事会は金利を0.25ポイント引き上げ、インフレ率を2月の6%から2%へ低下させることを目指している。
香港ショーは中国市場の再開を示唆したが、中国本土のバイヤーの需要は緊急性が少ない。
小さいサイズのダイヤモンドの取引は鑑定書付商品よりも良い。
第1四半期の小サイズダイヤモンド原石の値上げで製造業者の利益率が減少。
ポリッシュダイヤモンドの生産量は低レベルで安定しており、人気のあるカテゴリーの在庫が減少している。
G7は、5月のサミットに先立って、ダイヤモンドがロシア原産ではないことの確認を企業に義務付ける計画に取り組んでいる。

ファンシーシェイプ

ファッションジュエリーの促進が、長めのオーバル、エメラルドカット、ラディアントの需要を促進している。ミディアム・ショート比率の商品は需要が弱く、価値が下落している。 0.30~1.20ctのファンシーシェイプの需要は低い。1.25ctアップ、F-J、VS-SIの商品の需要は安定。カット品質の良いファンシーシェイプの供給不足が価格を支持している。オーバルを筆頭に、ラディアント、エメラルド、ペア、クッション、マーキスがそれに続く。 消費者が様々なシェイプを求めているので小売店はより幅広いシェイプを取り扱い始めている。大きなサイズのファンシーシェイプに関しては通常よりも高い価格で取引されており、エクセレントカットのファンシーシェイプにはプレミアム価格が設定されている。カットの優れないファンシーシェイプは依然として販売が困難。

アメリカ

市場は安定傾だが、1~2ctのラウンドは若干弱い。細長いファンシーシェイプはよく売れているが、供給は不十分。3ct以上のハイグレード(D-F、IF-VVS)もラグジュアリーセグメントで強い需が見られる一般的な品質のメレサイズは別の好調なカテゴリーになっている。ラボグロウンダイヤモンドがブライダル市場でシェアを獲得することん対する懸念がある。

ベルギー

時期的に取引が落ち着いていること、また需要が低迷していることによりディーラーの活動は鈍化。5月から6月のラスベガスショーへの期待、中国市場の回復への期待に後押しされ、企業は下期の改善に期待を寄せている。1-3ctのカテゴリーでラウンドよりもファンシーの方が需要が強い。ダイヤモンド原石のオークション価格は、小さなサイズのカテゴリーが引き続き堅調。来週のデビアスのサイトに注目が集まっている。

イスラエル

取引は穏やかだが、第2四半期には改善するとの予測もある。インターナショナルダイヤモンドウィーク(3月27日~30日)は市場ムードを高める可能性。複数の海外代表団が参加予定。0.30ct未満のダイヤモンドは安定。高級ブランド向けのサプライヤーは原産地保証に焦点を当てている。ハイエンド向けの商品は好調。

インド

中国市場の需要が改善し、インドのマーケットは堅調。原石価格が高騰しており、ポリッシュダイヤモンドの生産量は依然として生産能力を下回っている。メレサイズは強いが、低品質の商品は弱い。0.30~0.99ctの商品の動きは鈍い。0.30~1.99ctのペアー、オーバル、エメラルドの需要は安定。

中国・香港

3月の香港ショーでは盛り上がりを見せたが、活動はやや落ち着いている。中国本土のバイヤーが今のところ十分な在庫を持っているため、販売は難しい。本土の小売は時期的に低調。香港の国境開放により観光客が入れるようになっており、市場感情を後押ししている。今後数か月の見通しは前向き。

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