GIAは今年初めから、デジタル形式のみのドシエレポートを発行している。ドシエレポートは、DからZカラー、0.15~1.99ctsのルースダイヤモンドに適用される簡易グレーディングレポートで、デジタルのみで提供されるレポートは業界に驚きをもたらした。
しかしダイヤモンドディーラーや製造業者は、この新しいペーパーレスのドシエレポートについて苦情を申し立てている。このレポートはセキュリティが低く、小売店にとってあまり歓迎されていないと彼らは主張する。
業者がダイヤモンドをGIAに提出すると、基本的な情報と個々のオンラインレポートへリンクするQRコードが記載された小さな封筒に入ったダイヤモンドを返却される。RAPAPORTは数週間にわたってトレーダーたちにヒアリングしたが、ガードルにQRコードが刻印されるものの、簡単にそれをコピーして別のダイヤモンドに刻印することが可能だと彼らは指摘している。
多くの小売店はプリントされた証明書を使用してダイヤモンドやジュエリーを販売することに慣れているため、そのような小売店からの反発もあるとサプライヤーは述べる。あるインドのダイヤモンド業界関係者は、ジュエリーにセットされたダイヤモンドの場合ガードルの刻印を読み取ることが非常に難しい、場合によっては不可能であるため、デジタルレポートの運用は特に困難だと説明する。
「(今年)1月にGIAはこのデジタルレポートの発行を開始しました。現在一部の小売業者が(デジタルレポート付の)ダイヤモンドを仕入れているが、彼らは懸念を抱いている。一部の顧客は紙のレポートがないためダイヤモンドを返品している。」と彼は匿名を条件に語った。
インドのジェム&ジュエリー輸出促進評議会(GJEPC)及びムンバイのバーラット・ダイヤモンド取引所(BDB)は、この問題をGIAに提起した。GIAの代表者は、最近のニューヨークのダイヤモンドディーターズクラブの演説でメンバーからの質問に答え、また先週イスラエルで開催されたWFDBの世界ダイヤモンド会議でこの問題について議論した。
「デジタルレポートのセキュリティ、また小売業者や消費者がプリントレポートを要求しているという懸念について議論された。一定期間、GIAはデジタルレポートとプリントレポートの両方を要望に応じて提供する可能性があると議論された。会議に参加したダイヤモンド取引所の代表たちは、WFDBに彼らの懸念をGIAに提示するよう依頼した。」とWFDBの広報担当者は述べた。
GIAの広報担当者は、GIAが「製造業者、ブローカー、ディーラー、小売業者などのクライアントから、デジタルレポートに関する懸念と、デジタルレポートを採用することがビジネスにどのような混乱を与える可能性があるかについて聞いている。」と述べた。また、「建設的なフィードバックに感謝し、消費者を保護し、宝石やジュエリーへの信頼を確保するという私たちの使命の中で、彼らの懸念にどのように対処できるかを検討している。」と述べている。
GIAのデジタルドシエレポートへの切り替えは、2025年までにすべてのレポートをデジタル化するというGIAの計画の一環だ。
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