金価格、史上初1オンスあたり3,000ドルに到達

2025年3月14日、金のスポット価格はかつて想像もつかなかった大台である1オンスあたり3,000ドルを突破した。(1オンス=約31.1グラム、田中貴金属データでは同日の国内金取引価格は税別で14,258円/グラム)

同日の取引締め切り時点では、金は1オンスあたり2,984ドルで取引されていた。同日早朝には、過去最高の3,004ドルを記録している。

市場関係者の多くは、米国の新たな関税引き上げと貿易戦争の可能性が金価格を押し上げていると指摘している。今回の史上最高値更新は、株式市場が大幅な下落に見舞われた週に起こったものだ。

RBCキャピタル・マーケッツのグローバルコモディティ戦略責任者であるヘリマ・クロフトは、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された調査ノートの中で、「金価格の動きの大部分は、関税に関連する不確実性に起因するものである」と述べている。

ヘレウス・メタルズ・ジャーマニーの貴金属トレーダーであるアレクサンダー・ツンフはBBCに対し、「地政学的緊張の高まり、関税の引き上げ、金融市場の不確実性の高まりの中で、投資家はますます安定を求めており、それを金に見出している」と語った。

また、同氏は金価格がさらに上昇する可能性もあると述べている。

マッコーリーのコモディティ戦略責任者であるマーカス・ガーベイは、Yahoo!ファイナンスに掲載されたメモの中で、金は最終的に1オンスあたり3,500ドルに達する可能性があると述べている。「年初来、金は我々の予想を上回るペースで上昇している」と同氏は記している。

アナリストは、関税に加えて、ドルへの依存度を減らそうとする中央銀行による大量の買いも、金価格高騰の要因の一つとして挙げている。

2月10日に初めて2,900ドルを突破し、そのわずか9日後に2,800ドルを超えてからは、金が1オンスあたり3,000ドルに達するのは時間の問題と思われていた。

2024年3月1日の金始値は1オンスあたり2,043ドルだった。年初来、金価格は13.5%上昇している。

コメント

タイトルとURLをコピーしました