プラチナ・ギルド・インターナショナル(PGI)は、この6月に「プラチナ・ジュエリー・ビジネス・レビュー(PJBR)2026」をオンラインで発表した。
今年のテーマは「レジリエンスの1年」。本レビューでは、2025年の主要市場におけるプラチナ・ジュエリー需要と2026年の見通しを示し、同年は回復力を意味する「レジリエンス」という言葉が最もふさわしい、極めて好調な年であったと総括している。

PGIのCEOティム・シュリック氏は、2025年の市場環境と2026年の展望について、2025年は世界的な混乱により予測が難しく、さらに対応も困難な激動の年であったと説明。また、ジュエリー業界が2025年に直面した2つの主要課題を挙げた。
第一は貴金属価格で、過去最高水準の金価格が来店客数の減少を招き、特に中国とインドで顕著な影響が見られた。また、プラチナのリースレート上昇により製造マージンが圧迫された。第二は米国政府による輸入関税で、不透明な政策環境と相まって世界的な影響を及ぼし、輸出向け製造比率の高い中国とインドでその影響が大きく見られた。
こうした逆風にもかかわらず、プラチナ・ジュエリーは2025年にすべての市場で成長を達成し、2019年以来最高水準の需要を記録している。
「大きな課題にもかかわらず、プラチナ・ジュエリーは全市場で成長し、2019年以来最高の需要水準を達成しました。世界が大きく揺らぐ中、主要市場は際立ったレジリエンスを示しました。」(ティム・シュリック)
日本:人口比世界一の市場規模を誇る国で、プラチナは高い水準から上昇を続ける
一人当たりのプラチナ・ジュエリー需要が世界で最も高い市場である日本では、2025年にはプラチナ・ジュエリーの需要が2%増加し38.3万オンス(11.9トン)*を記録した。小売数量ベースでのシェアも28%に拡大。一方ゴールド・ジュエリーは11%減少。高騰する金価格を背景にホワイトゴールドからのシェア移行が進み、喜平チェーンなど重量感のある商品の需要も安定して推移した。また若い新富裕層による自己購入も拡大している。
PGIの「プラチナ・ウーマン」プログラムでは、度重なる価格上昇にも拘らず、数量で6%増、金額で23%増と堅調な成長を記録した。
中国:製造業の活況がプラチナ市場に最も変動の激しい1年をもたらす
中国の2025年プラチナ・ジュエリー製造量は、前年比56%増の58.9万オンス(18.3トン)*と2022年以来最も強い年となった。一方、ゴールド・ジュエリーの需要は25%減少。プラチナの急増は主に金価格の上昇により新規参入が進んだことによるもの。供給拡大が先行し、消費者向け販売は比較的穏やかな進展となったが、小売では7%の成長が報告されている。
また、520(愛の日)キャンペーンでは平均売上が17%増、JD.comキャンペーンでは参加ブランドで110%増、上位8ブランドは230%以上の成長を記録した。
米国:世界最大の高級品市場において、プラチナは引き続き同カテゴリーのベンチマークを上回る実績を維持
2025年の北米プラチナ・ジュエリー需要は6%増加し47万オンス(14.6トン)*と、ゴールド・ジュエリーの10%減少とは対照的な結果となった。金との価格差によりホワイトゴールドからプラチナへの転換が進んだ。
米国ジュエリー業界で最も重要な購買である婚約指輪においては、60%以上の消費者がラボグロウン・ダイヤモンドを選択しており、貴金属部分により多くの支出を振り分ける機会が増加している。高級ジュエリーは数量・金額ともに増加し、ブライダルも引き続き重要なカテゴリーとなっている。
インド:プラチナ需要の伸びが最も著しい市場において、強い逆風にもかかわらず底堅さを維持
インドでは、プラチナ製造量は前年比4%増の28万オンス(8.7トン)*となり、ゴールド・ジュエリーの需要が24%減少する中において堅調さを示した。米国の関税の影響により成長率は鈍化したものの、国内需要ベースでは10〜15%の成長が記録されている。また中東市場への展開も進み、著しい需要増が見られました。
*出典:メタルズ・フォーカス社
2026年見通し:5つの市場の行方
2026年に向けては、PGIは各市場で異なる見通しを提示している。
日本は安定的に推移すると見込まれ、日常購買に支えられたプラチナ・ジュエリー需要に加え、ブライダル需要も回復基調が続く見通し。
中国は2025年以前の水準へと正常化が見込まれ、2026年における小売の販売消化、在庫補充、および主要な購買シーズンでの売上が回復ペースを左右するとみられる。
米国では金との価格差と地金価格の安定が鍵となり、高額品およびブライダルは堅調に推移する見通しで、ホワイトゴールドからプラチナへの転換も引き続き進むとみられる。
インドは地政学的課題の中でも堅調を維持する見通し。
欧州ではゴールドの低純度化へのシフトとともに、プラチナのシェア拡大が期待される。
プラチナ・ギルド・インターナショナル(PGI)について:
PGIは、プラチナジュエリーに関する消費者市場および流通市場の創出、拡大、強化を目的とした世界的なマーケティング組織です。世界の主要なジュエリー市場に拠点を置き、ジュエリー小売業者やメーカーとの連携により需要創出のための活動を展開しています。


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