フランスはラボグロウンの名称を「合成」と定義

brilliant cut diamond held by tweezers

フランス当局は「ラボグロウンダイヤモンド」の名称を禁止し「合成ダイヤモンド」のみを認めると述べた。

フランス競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)は、人工宝石と真珠に関する2002年1月の最初の決定を再確認した。2002年に発行された法令では、「物理的、化学的性質、結晶構造が本質的に同一な天然石のものに対応する」石に対しての唯一の許容可能な修飾子として『合成』をリストしていた。

ラボグロウンダイヤモンドはフランス国内では「diamant de synthese(合成ダイヤモンド)」または「synthetique(合成)」の名称しか使用できず、「diamant de laboratoire(ラボグロウンダイヤモンド)」と「diamant de culture(養殖ダイヤモンド)」の名称は依然禁止されたままだ。

この法令では、フランスの小売業者は、ラボグロウンダイヤモンドを「合成」として表示し、「ラボグロウンダイヤモンド」という用語をフランス国外での販売と広告にのみ許可している。つまりフランス国内では「ダイヤモンド」という名称は常に天然ダイヤモンドを意味するということだ。

天然ダイヤモンド産業を促進するCollectif Diamantはこの動きを歓迎し、この決定は「消費者にとって明確で理解しやすい情報を保証する」のに役立ったと述べた。また世界ダイヤモンド取引所連盟(WFDB)のヨラム・ドヴァシュ会長は、「天然ダイヤモンド以外のすべての石を『合成』と呼ぶことを主張するフランス政府の決定を賞賛する」と述べ、「これは、天然ダイヤモンドの固有の価値を確認し、消費者の信頼を高めるための重要なステップだ。」と付け加えた。

2022年、ラボグロウンダイヤモンドの販売会社は、フランス経済・財務・復興省に、ラボグロウンという用語の使用を許可するようにルール変更を求めた。しかし昨年10月、業界との協議の後、同省はルールを変更しないことを決定した。

同省はアンケートに回答した人々に対し「多くの方々(業界連盟を含む40人ほど)が我々のアンケートに回答したことに感謝します。」とメールを送り、また「受け取った回答の分析は、大多数の業界の方々が(2002年の)法令を維持することに賛成していることを示しています。」と述べた。

フランスのジュエリー組織であるUFBJOPはこのアンケートに回答した組織の一つであり、ラボグロウンダイヤモンドに対する「許容可能なフランス語の翻訳はない」と主張した。また合成ダイヤモンドに対して「消費者が理解できる明確な用語だ」と述べた。

「25歳以上の1,000人以上のフランス人を対象とした調査では、フランス人の83%が合成ダイヤモンドの定義を答えることができ、主に人工石として説明できたことが明らかになりました。」とUFBJOPは述べた。「質問を受けた人々の90%は、これらの石が地球から採掘されていないことを理解していた。」と付け加えた。

さらに国際税関当局は、ラボグロウンダイヤモンドに「合成」のラベルを付けることを要求していると指摘した。

2002年の既存の法令にもかかわらず、ラボグロウンダイヤモンドという用語は、「クールベ」やLVMHが所有するブランド「FRED」などのラボグロウンダイヤモンドを販売するジュエラーでよく使用されてきていた。

この名称の問題に関するスタンスは、フランス政府と米国政府で異なっている。アメリカの連邦取引委員会(FTC)は2018年に、ラボグロウンダイヤモンドに使用する推奨用語のリストから「Synthetic(合成)」を削除し、合成という名称が消費者に対して、ラボグロウンダイヤモンドがキュービックジルコニアなどのダイヤモンドではない類似石だと誤解を与える可能性があると述べている。

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