ポール・ジムニスキー – ラボグロウンダイヤモンドQ&A

米国ニューヨークを拠点とする著名なダイヤモンド業界アナリストである、ポール・ジムニスキーへのラボグロウンダイヤモンド市場に対するQ&AがJCK Onlineに掲載された。

ラボグロウンダイヤモンドは、市場全体の何%を占めていますか?

ラボグロウンダイヤモンドを使用したジュエリーの売上高は現在、世界のダイヤモンドジュエリー販売の約10%を占めていると推定されます。それは5、6年前のほぼ0%から上昇しています。米国はラボグロウンダイヤモンド最大の市場であり、全体の約70%〜80%を占めていますが、ラボグロウンダイヤモンドを使用したジュエリーは現在、世界中の主要市場のほとんどで入手可能となっています。

それは天然ダイヤモンドから市場シェアを奪っていますか?

それを断定するのは難しいです。初期にはラボグロウンダイヤモンドは間違いなく天然ダイヤモンドのシェアを奪っていました。しかしラボグロウンダイヤモンドジュエリー市場はまた、ラボグロウンダイヤモンドがなければ存在しなかったであろう追加の需要を生み出しています。すべてのラボグロウンダイヤモンドジュエリーが天然ダイヤモンドジュエリーの販売シェアを奪っているわけではありません。

パンドラはその良い例だと思います。彼らがどれだけの(ラボグロウンダイヤモンド)製品を販売するかはわかりませんが、彼らが世界的にどれほど大きな存在であるかを考えると、それはおそらくかなり大きな量になるでしょう。300ドルのジュエリーを欲しがるそれら(パンドラ)の消費者は(通常の)宝石店には行っていなかったでしょう。

すべては価格次第です。5年後、LIGHTBOX(ライトボックス)の1ct 800ドルが標準価格になり、マーケティングが変わると思います。

卸売価格は小売価格よりも早く下がっている言われていますが?

それらは共生関係にあります。卸売価格は小売価格をリードする傾向があります。ここ数週間でラボグロウンダイヤモンドの価格がかなり大幅に下がったのが観察できます。先月3,400〜3,500ドルで販売されていた1.5ctsのラボグロウンダイヤモンドが3,000ドルに減少しています。供給の増加は需要の増加より速い傾向にあります。中国でのコロナによるロックダウンが終わり、サプライチェーンが再開されると、さらに価格の減少は進むと考えられます。

ラボグロウンダイヤモンドは、最終的にほとんどファッションアイテムになると思いますか?

パンドラはラボグロウンダイヤモンドの最も重要な販売企業のひとつです。彼らは厳密にそれらをファッションジュエリーとして販売しています。また別の大手企業であるブルーナイルでは、ラボグロウンダイヤモンドをファッションジュエリーとしてのみ販売しています。ますます多くのラボグロウンダイヤモンドがファッションジュエリーとして販売されるようになるでしょう。

現在、ラボグロウンダイヤモンドにはある種の目新しさ、そして流行的な注目があります。それらクール(流行的)でなく、目新しさがないという時点にたどり着いたら、それらは一般的な低価格のジュエリーとなるでしょう。

長期的に考えると、小売店として婚約指輪など一生に一度のアイテムとして販売する場合、8,500ドルの(天然)ダイヤモンドと750ドルの(ラボグロウン)ダイヤモンドのどちらを販売したいと思いますか?顧客をラボグロウンダイヤモンドに誘導してきたのは小売店です。一般的に、消費者はそれを尋ねてこないでしょう。

ラボグロウンダイヤモンド市場今後どうなりますか?

ラボグロウンダイヤモンド製造は競争が激しくなっています。中小製造企業が競争するのは難しくなってきます。

ますます多くのメーカーが参入するにつれて、マージンが低下すると思います。天然ダイヤモンドの供給過剰の状況があり、それは再生不可能な天然資源です。ラボグロウンダイヤモンド製造業界にとっては状況が悪化する可能性があります。

工業用(合成)ダイヤモンド市場を見ると、その90%が中国で生産されており、彼らはその市場を支配しています。ラボグロウンダイヤモンド市場でも同じことが起こるでしょう。

(ラボグロウン)ダイヤモンドの生産品質は向上していますか?

はい、生産者はそれらをトリート(処理)できることが理由のひとつで、それが天然ダイヤモンドとの大きな違いです。すでに製造されたダイヤモンドであるため、トリートに対するタブー感が少ないと言うことです。(CVDトリートの)特許期限が切れると、どの生産者でも商品を処理できるようになります。消費者が「As-Grown(成長したままの処理していない)」ダイヤモンドにプレミアム料を支払うかどうかわかりませんが、ほとんどの人はそうではないと思います。

ラボグロウンダイヤモンドの(市場)成長分野はどこすか?

タグ・ホイヤーは、クラウンにラボグロウンダイヤモンドを使用した腕時計を発売しました。(このような)天然ダイヤモンドではできない方法でラボグロウンダイヤモンドを使用することで、さらに多くの成長分野が見られると思います。個性的またカスタムシェイプのダイヤモンドを生産する能力を(ラボグロウンダイヤモンドが)持っていることは本当にエキサイティングだと言えます。ラボグロウンダイヤモンド業界は、低価格で販売する以外に、天然ダイヤモンド市場ができないことに集中し始める必要があります。

国際的には、ラボグロウンダイヤモンド市場はまだ非常に初期の段階にあります。その1,000ドル未満の製品価格帯は、ダイヤモンドが欲しいが(天然)ダイヤモンドを買う余裕がない消費者にとって魅力的になる可能性があり、中国では市場の発展可能性は非常に興味深いものになるかもしれません。ラボグロウンダイヤモンドの市場成長は、低価格の中国市場から来る可能性があります。

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