香港の大富豪はジュエリー投資ファンドを設立、11億ドルの投資を集める

香港の生命保険会社のCEOは、数百万ドルのアンティークネックレスやその他希少なジュエリーが、不安定な世界経済の中で代替投資を求める超裕福層の投資家にとって「避難所」になる可能性がある述べている。

この、ビリオネアとして知られるカルヴィン・ローは、これまでに数十人の富裕層の投資家が彼の「レガシージュエリーファンド」に約11億ドルを投資し、これが世界初のジュエリー投資ファンドになる可能性があると述べている。

先月開始されたこのファンドは、ヴァンクリーフ&アーペル、カルティエ、ブルガリなどの世界トップジュエリーハウスからユニークなネックレスやその他の作品を購入し、価値の上昇に基づいてリターンを得ることを目標としている。

歴史的に不安定な経済下では金が一般的に安全な投資先とみなされていた。しかし、主に香港からの42人の投資家は、「非常に限られており、ハイエンドで、コレクター性の高いジュエリー」に価値を見出している。とカルヴィン・ローは日経アジアのインタビューで語った。

資金はすでに投資されているため、カルヴィン・ローは、何を選ぶかについての最終的な決定権を持っているが、希少なジュエリーを選定するために一流ジュエリー専門家の助言を得ていると述べている。

エメラルド、ルビー、サファイアがちりばめられたカルティエのジュエリー、トゥッティ・フルッティなど、対象作品には、その真贋を証明し、文化的または歴史的価値を持つという詳細な元帳が付属している必要がある。

「ヴァン クリーフ&アーペルは、アールデコ時代と1960年代と1970年代の作品で有名です。1920年代と1930年代のカルティエのアールデコ作品は、伝説的なトゥッティ・フルッティを含め、このジュエリーハウスの最も象徴的な作品の1つです」と同氏は述べている。

12.4億ドルで台北のマンダリンオリエンタルホテルを購入し、2020年にF1のウィリアムズレーシングにも投資した香港のビジネスマンであるカルヴィン・ローは、英国の宝石商グラフでクライアントとプライベートビューイングをした時にこのアイデアを得たと述べた。500万ユーロ以上で販売された1920年代のネックレスを見せられたとき、彼はこのニッチ市場に焦点を当てたファンドを立ち上げることを思いついた。「もし私がそれを突き詰めれば、ある時点で誰にとってもウィンウィンになるでしょう。」と述べ、1997年にウォーレン・バフェットのが3,500トンの銀の購入したことに言及した。

しかし、カルヴィン・ローはファンドがこれまでに購入したコレクションについてほとんど明らかにせず、安全な保管庫に保管されていると言い、投資家にどのようなリターンを生み出すことを期待しているかについてはコメントしていない。

また、投資家は長期投資として少なくとも2年間保有する必要がある、と彼は述べる。彼は、ファンドがまだ初期の段階にあり、投資家のための出口戦略を含め、価格設定と構造の面でより多くの調整が必要だと認めている。しかし、彼は、経済的不確実性と地政学的緊張の高まりの時代に、人々が「情熱的な投資」に投資する強い欲求があると指摘した。

米中関係の蔓延、ロシアのウクライナ侵攻、インフレの高まりは世界市場を揺るがしたが、カルヴィン・ローは最も悲観的なシナリオのいくつかを予期しないという。「私にとって、(見通し)は横ばいのまま推移すると言う方が楽観的だろう。」と彼は付け加えた。実際、パンデミックは彼の主な事業であるREリー・インターナショナル(保険業)にとって恩恵であり、数億ドルの保険料で超富裕層の生活を保証している。

彼はまた、ジュエリーファンドをリードする民間投資会社RE Lee Octagonを通じて投資を行い、シンガポールとロンドンへの商業投資に目を向けていると述べた。保険事業はシアトルと上海を含む世界6か所で事業を展開しており、今年ロンドンとヨーロッパに拡大する予定だ。

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